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もう一つの健康情報・・カルシュウム剤のサプリメントが心筋梗塞発症の危険を増す!
「もう一つの健康情報・・ビタミン類やミネラル類のサプリメントは高齢者女性の死亡危険が増すを用心!!」ではミネラル成分の内で、鉄、マグネシュウム、亜鉛、銅は死亡の危険を増加させるとの結果でしたが、カルシュウムだけは、死亡率を減少させるとの結果でした。
この論文では、心臓疾患も含めたすべての死亡原因も含めた結果です。
しかし、今回紹介する論文(Effect of calcium supplements on risk of myocardial infarction and cardiovascular events:meta-analysis,Bolland MJ,et al.,BMJ,2010)では、無作為化比較試験で行なわれた心臓病に注目して、既に出された研究論文を選んでカルシュウム剤摂取と心血管疾患の発症する危険の増減を検討したのです。
つまり、今回は心臓血管疾患による発症や死亡について検討したもので、既に紹介した論文のように発症はしても死亡はしていない人たちも検討されています。
その結果は、カルシュウム剤のサプリメント摂取は、心筋梗塞を発症する危険が増すというのです。
カルシュウム剤を1日500mg/1日以上を摂取した人を対象としています。
但し、今回の分析ではビタミンDを併用した場合は除いた結果です。
論文によれば、心筋梗塞発症の危険が増す程度は7つの論文の平均では、1.27倍となっています。
それぞれの論文では、一番危険が高いのは、1.59倍であり、低いのは、1.01倍でした。
心筋梗塞による発作と突然死亡の危険の増加は、8つの論文の平均では、1.12倍でした。
それぞれの論文の内で、一番危険が高かったのは、1.59倍であり、低かったのは0.97倍でした。
以上より、心筋梗塞の発生、発作や発作による突然死の増加は、カルシュウム剤摂取で危険が増すと判ります。
骨ソソウ症対策としてカルシュウム摂取を安易に行なうと心血管疾患の発症の危険を増す可能性があると、特に、心臓の悪い人は注意をした方が良いと言えそうです。
中年の日本人のカルシュウム摂取量は、男女ともに1日600mgと言われています。
しかし、白人では、1日800mgが平均的摂取量と言われますから、日本人の摂取量は、欧米に比べると少ないといえます。
日本人では、心筋梗塞は少ないレベルにあります。
取り分け、女性では心筋梗塞の危険は低いレベルにあります。
カルシュウム摂取量が少ないためとは言い切れませんが、少なくとも、骨ソソウ症のためとカルシュウム剤のサプリメントをセッセと飲むのは注意をすべきでしょう。
まずは、食生活、食卓を豊かにするような料理、食事からカルシュウムを摂取するように心がけることです。
インスタント食品などには、カルシュウムが沢山含まれているものもありますから注意をしてください。
また、サプリメントは薬ではないことを忘れてはなりません。
コスト的にも食材を豊かにした方がパフォーマンスは良くなると思います。
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