『臨床喫茶学クリニック』・・ケガレ・ケ・ハレの生活律喫茶・茶の湯・・7

 Λ(ラムダ)喫茶・茶の湯・・5・・神仙・仙薬による無縁社会のケガレ・ケ・ハレの生活律

 ワタシ流グローカル社会の喫茶・茶の湯・・茶会尺・・1


 新しき年を迎えて、まず、私が関係しています淡交会の「愛知第三支部支部だより」に掲載された「ご挨拶」を紹介しようと思います。

 ここで、私が「Λ(ラムダ)喫茶・茶の湯」としているΛは、20世紀の天才アインシュタインダークエネルギーに通じるマイナスの重力を想定した時の定数です。

 つまり、喫茶・茶の湯に人間社会の無縁のダークエネルギーへの期待をアインシュタインΛ予見に込めて重ねているのです。

 私としては、宇宙のダークエネルギーノーベル賞が決定する前に、Λを認識していたことを大変嬉しく思っています。


 『無縁の「ダークエネルギー」と喫茶・茶の湯

 私達の日常は無縁の「ダークエネルギー」によって変転が迫られていると思います。

 本年は東日本大震災・東電福島第一原発事故に始まり、その復興に国内外の無縁の人達が参加、努力しています。

 ユーロ圏地域ではギリシャなどの金融・財政危機に起因する金融、経済市場の緊張が続いており、日本社会は円高に苦しめられて、私達の日常が如何に国際社会に組み込まれた日々を過しているかを実感します。

 ソーシャルネットやウエブ社会の発展によって、従来のような有縁社会から無縁社会中心の人間関係の影響が強くなりました。


 本年のノーベル物理学賞が宇宙の膨張が速まっており、重力に逆らって宇宙を広げる力、ダークエネルギーがあるとの発見に与えられたのです。

 ダークエネルギーは宇宙全体の73%を占めており、残りの23%が重力を持つ未知のダーク物質ですが、人間や星などの“物質”によるエネルギーは4%に過ぎないのです。

 私は人間関係で言えば、無縁社会は「ダークエネルギー」だと思います。

 有縁の関係より、無縁関係の“力”が私自身の生活に大きな影響を与えるからです。

 我が国で無縁社会が発展躍動したのは中世であり、茶の湯の歴史が開かれた時代。


 禁中の茶、寺院の茶、大名の茶、士庶の茶、農民や下人の茶と言われるもの、施茶、一服一銭、立売茶、飲茶勝負(闘茶)、茶寄合、雲脚茶会、桶茶、淋汗茶湯、茶会尺などの喫茶・茶の湯の風俗は、上は公家貴族、下は賤民、帰化人まで身分の上下を越えて茶寄和合していたのです。

 変革期に新しい価値転換が起こり、価値観がハッキリしなかった時代です。

 下賤やニセ物といわれた方が、だんだん本物に変わったりしていたのです。

 江戸時代の町人学者冨永沖中が指摘した「加上の理論」によって思想、学説のみならず、世俗の家格や系図なども「加上」された変遷の歴史が今日に残っています。

 堺の竹野紹鷗や千利休を始めとして茶の湯文化の発展に活躍した大名、豪商や金融業者の多くが凡下・借上などと呼ばれた無縁社会系譜の人達が多かったのです。

 加上は秀吉や家康の如く大名のみならず豪商達も例外ではありませんでした。


 昨年末(2010年)にチェニュジアに始まった「アラブの春」はエジプトに波及して、長期の強権権力を無縁のネットによる呼びかけで集まった人達により武力革命によらずに転換しました。

 また、アメリカのウオール街では貧困・格差・雇用社会の変換を目指して無縁ネットによる呼びかけによって発生したのです。

 今日の無縁ネット社会の「ダークエネルギー」は膨張して国内外で社会のチェンジを誘発しています。

 
 中世日本の無縁社会で発展した茶の湯文化が再び新しい役割を果たすべく「ダークエネルギー」の膨張が加速している毎日です。


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