喫茶と健康で文化的な生活への道;:「臨床喫茶学」のための「信天翁喫茶」・・1

Dr.BEAUT(Dr.ビュート)流ダイエット法; 動脈硬化の“常識”が変わる・・低コレステロールの危険・・1


「淡食麁茶の今日的な意味・・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために

 「臨床喫茶学・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な実践生活を学ぶ」

 信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどのネットで販売中。アップルのアップストア(App Store)の電子書籍としても販売している)


 最近は、動脈硬化予防について“常識”が変わりつつあります。

 既に取り上げてきましたように、(1)グリミックス指数やグリセミック負荷の高い食事の危険性あり、 (2)肉食(魚肉も含む)と野菜中心の食事が、高感度CRPやアディポネクチンなどの動脈硬化予知因子の改善力が強い。

 加えて、この五月末には、超悪玉コレステロール(sdLDL)はLDLに糖が結合して血管璧に付着しやすくなっている性質があることが判ってきました。

 さらに、LDLに糖が結合する反応に酸化反応が関係していないことも明らかとなりました。

 つまり、ビタミンE,Cやβーカロチンのみならずポリフェノールなどの抗酸化物質が関係してないことになります。

 こうした抗酸化物質の動脈予防効果について、前向き無作為試験(Prospective randomaize trials)での結果があまりカンバシクない理由とも考えられます。


 最近話題となっているのは、血中のコレステロール値について、低コレステロールが良いとする日本動脈硬化学会と低コレステロールは危険とする日本脂質栄養学会との議論が続いていることです。

 日本動脈硬化学会は、コレステロール値には自信がないのか、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」の改訂を行なって、血中コレステロール値を除いてしまいました。

 みなさんも、最近の動脈硬化、肥満、検診や健診の検査項目から外されているから知っていると思います。

 昨年の九月には、日本脂質栄養学会が「長寿のためのコレステロールガイドライン」を発表して、低コレステロールの危険性を指摘しました。

 それ故に、日本動脈硬化学会と日本栄養学会と血中コレステロール値について、言い分が逆のために議論を呼んできました。


 そうした背景にあって、最近、自治医科大学コホート研究が論文として発表されました。

 その結果は、日本脂質栄養学会の主張する“低コレステロールが死亡の危険が高い”でした。

 その論文は、「Low Cholesterl is Associated With Mortality From Stroke,Heart Disease,and Cancer:The Jichi Medical School Cohort Study]と題したNaoki Nagao,Shizukiyo Ishikawa,Tadao Goto,and Kazunori Kayabaらによって、J.Epidemiol.と言う学術専門雑誌のp.67ー74,2011に掲載されています。

 論文は無料でダウンロード出来ます。

 調査されたのは、1992年から1995年にわたる日本の岩手県から福岡県に広がる全国12地域の住民健診のデータを蓄積した結果です。

 平均11.9年に及ぶ経過観察を15万人近くの人たちを追跡したコホート研究の結果で、恣意性の加わり易い因子を調整した結果も提示されていますから、研究の質は良いと云えます。

 その結果は、男女共に低コレステロールが死亡の危険性が高くなるでした。

 男性で死亡率が増すのは、脳梗塞脳出血、心臓病、ガンでの死亡がで上昇する。

 女性で死亡率が増すのは、脳梗塞脳出血、心臓疾患では心不全顕著に増加、ガン死が上昇するとあります。

 次回より、順次、血中コレステロール値と死亡の増減を論文から具体的なデータを紹介したいと思います。