「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・47

Dr.BEAUT(Dr.ビュート)流ダイエット法と評価の高いダイエット法との比較;アトキンス、オーニッシュ、ゾーン、ラーン、地中海、低脂肪食・・10・・低脂肪食(AHA ダイエットガイドライン)・その1・・概観


「淡食麁茶」の今日的な意味・・40・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために・30・・

 「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な実践生活を学ぶ・・47

 信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどのネットで販売中。アップルのアップストア(App Store)の電子書籍としても販売している)


 AHA ダイエットガイドライン(低脂肪食)は、既に取り上げましたI.Shaiら(I.Shai et.al,Weiht Loss a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet,New Engl.J.Med.,2008,359,229-241)による二年間に及ぶ体重減少の効果が追跡された低炭水化物(アトキンス法)、地中海法に加えて比較検討された三法の一つ,低脂肪ダイエット法をAHA ダイエットガイドライン法(AHA;American Heart Association)と名づけたダイエット法です。

 AHA ダイエットガイドラインアメリカの心臓連合が提示している心血管病の予防のための食生活についてのガイドラインですが、1996年に出されたガイドラインは2000年(R.M.Kraus et al.,AHA Scientific Statement AHA Dietary Guidelines Revision 2000:A Statement for Healthcare Professionals From the Nutrition Commitee of the American Heart Associatin,Circulation,102,2284ー2299)に改正されました。

 その訂正では、Step 1とStep 2に分けたガイドラインが示されたところに特色があります。

 Step1は、広く一般の人達を対象とした心臓病等の予備的段階での栄養生活法のガイドラインです。

 Step 2は、脂質異常、糖尿病、先在血管性疾患などの医学的な栄養指導も含めた個別の危険因子のある人たちを対象としたガイドラインです。

 地中海法ダイエットについても、前回紹介しましたが、特別の危険因子のある人とは分類しようとしています。

 Dr.ビュート(Dr.BEAUT)流ダイエット法が、個別の健康条件、生活スタイルや病気の有無を考慮する必要性を指摘している理由と合致します

 ダイエット法については、今だ、これで良しというレベルにはなく、どんなダイエット法にあっても、フードファディズム(Food Faddism)やセデンタリーライフスタイル(Sedentary Lifestyle)におちいることなく、妄信してはならないのです。

 Dr.ビュート(Dr.BEAUT)流では、特別に注意すべき危険因子のない人たちでも、その人の食や生活習慣のみならず個人的な性格、体格を考慮するを良しとしています

炭水化物を多く含む食材について話しても、具体的な食の話と結び付かない人は少なくありません。

 中途半端な知識や思い込み、独善的傾向があったり、健康オタク的な人たちには、特に注意が必要です。

 食と健康について、話題が氾濫しているにもかかわらず不充分な理解の多いのにはビックリです。

 その背景には、産学の専門家と称する人たちの“科学的思考の不充分さや利益優先体質”がありますが、所詮、一週間や二週間、何々を食べたら体重が減った、何々を食べると“健康”に良いと言われても、何がどう良いのか、言語明瞭、意味不明確と思いませんか。

 大体、あるものがスーパーからなくなるぐらいの期間で、心臓血管病やガンを予防できたり、改善したり、治ったりするなら、どうして、アメリカを初めとした世界の国々が膨大な税金やお金を使い対策に血眼になっているかを考えれば、もし、一品健康主義でXXのサプリメントを飲めばそれでオーケーとなるのは可笑しいとなります。

 まさに、フードファディズムにおちいっている人たちが多いのは、北野武(臨床喫茶学・・レトロモダンの喫茶ワールドでライフスタイルを学ぶ・・9)の言う思考停止、言霊信仰による利益追求型のネットを含むマルチメディヤや口コミ情報に引っかかているを示すパラメーターとなると判ります。

 私は、その理由の第一は、我が国が、未だに「言語的」鎖国状態にあることだと思います。

 今やITによって国際的な情報はリアルタイム的に手の入るようになりました。

 最近ヨウヤク変わってきましたが、夏目漱石が、既に、例えば、英語学者や英文学者を育成するための語学教育について批判して、多くの人たちが日常茶飯に役立つような語学教育の必要性を提言してたのです。

 私も、中学で英語の勉強を始めたのですが、体操の先生に、先生の後に“ジスイズ ザ ペン(This is the pen)"
と未だにth、f、r、vなどの発音に悩まされています。 

 恨みたらしい話にそれてしまいましたが、ヨウワ、ダイエット法でも、述べてきましたように、AHA ダイエットガイドラインや地中海法ダイエットのように国際的な評価のある方法でも、今だ、変更・訂正をしているのが現実ですから一面的、表面的な理解・実践は逆効果となります

 それ故に、宗教が国際的に統一した普遍性をもてないように、国際的な統一されたダイエット法とはほど遠いのが現実のレベルなのです

 
 繰り返しますが今回、最後に取り上げていますAHA ダイエットガイドライン法は、アメリカの栄養専門家グループが念を入れて心血管疾患対策として提示しているガイドラインです。

 それでも、前述のShaiらの論文では、体重減少目的としてのダイエット法としてのみならず、脂質異常症の改善、動脈硬化促進因子についての改善法としても、アトキンス法や地中海法より劣っています。


 是非とも、I.ShaiらやR.N.Krausらによる紹介論文は、フリーでダウンロード出来ますから、ヨーロッパやアメリカらしいガイドを呼んでいただきたいと思います。

 日本国内の取り組みは、一年や二年も続けるような前向き無作為試験を行なうには、まだまだ、遅れたレベルにあります。

 そうした恣意性が減るような試験を行なうと金はかかるし、結果が思わしくないために儲からなくなるからとの“産学協同”があるのではないかと疑いたくもなります。

 一品“健康”によい食品の話題が次から次へと移るのが都合が良いのです。

AHA Dietary Guidelinesの実践は長期に渡っての総合的な食スタイルが大切だと強調しています。

それ故に、私はDr.ビュート(Dr.BEAUT)流ダイエット法が日常茶飯の認知行動療法としての食生活スタイルがキーだとと考えています。

 トドノツマリは、臨床喫茶学の実践なのです。