「臨床喫茶学」・・レトロ・モダンの喫茶ワールドでライフスタイルを学ぶ・・9

 日本の国の成熟とはを考える・・7・・やせ我慢のお笑い美芸家・北野武ビートたけし)の日本的未成熟と成熟への挑戦・・・2


 北野武ビートたけし)の近著「超思考」幻冬舎)から私流の価値観で話題を取り上げます。

 やせ我慢のお笑い美芸家・北野武は、飢餓感、我慢我執のハングリーを大切にしていると判ります。

 そして、本業をテレビタレントと言い、映画や美術は趣味の世界の自由な自己実現の場としているのです。

 北野武は職人と芸術家を明確に区別しており、職人はお客のため、他の人たちのニードに答えるを仕事とし、芸術家は自分の良いと思う世界の追求で自分の好き勝手を追求、利己的、麻薬的で自分のために幸せかどうかは別だとしています。

 つまりは、日常茶飯・常住坐臥のお笑い美芸家は、お笑い職人として超絶技巧を求めて本業・テレビタレントを、お笑い芸術家として技巧、決まりごとは越えた映画、絵画を位置づけているのです。


 前回述べましたように、1)価値観による選択の自由・・多様性の容認、2)平和・・良心的暴力・戦力拒否、3)人は1)、2)を必要条件として、健康で文化的に生きる権利があるの三項目と関連して話題とします。

 1)価値観による選択の自由

  ・言霊信仰におちいり思考停止の状態にある・・他人の頭で考ようとすると他人の目にどう映るかを考えることになり、迎合せずにやせ我慢する生き方が優先されない・・政治家のバラマキ政策の根っにある発想

  ・やりがいは辛抱と苦労を続けて見つかり、面白くなる

  ・迎合する下品・・金太郎飴と一緒・・自分に正直に生きる

・品格・・何が品格・・誰が決めた・・自分の品格とは

  ・群れて生きない・・ものごとを自分の目で見て自分の感じたことに正直になる

  ・自分の意見を言わずに、曖昧で抽象的な言葉で誤魔化す・・他人の意見にゆだねた「国民の声」、「庶民目線」とかのわけのわからない権威づけをする・・「国民の声=神の声」として誰にも逆らえないように今の日本はなっている・・昔の大本営発表体質

  ・自由と平等は両立せず・・自由による差・・正義を唱えて、他は間違いと決め付けることの間違い;流行の公共善、共同体善を唱える矛盾

  ・民主主義に対して、信じてさえすれば、絶対服従は喜びもある

  ・モノを考えない人間の集団は、チョットした刺激で暴走する・・自分の頭で考えて決めるのではなく、回りのみんながどっちへ動くかで決めるからだ・・民衆の無意識の怒りってやつが、噴火寸前の火山のマグマのように相当たまっている


 2)平和・・良心的暴力・戦力拒否

  ・ガンジーの無抵抗主義を貫くのが一番・・無抵抗主義で日本を良くする;権力者は口でなんと言おうと国民を持ち物と思っている

  ・核兵器大量破壊兵器;荒唐無稽な理想論といわれようとそうしなければどうにもならないところに来てしまった

  ・核廃絶を訴えながらアメリカの核の傘で守られている矛盾・・どういう意見を持っているかでなく、兎に角反対以外は何も言っちゃあいけない・・念仏みたいに原爆反対を唱えておれば、口に出したことが現実になると思っている(言霊信仰)

  ・人は死ぬ・他の動物の命を奪って生きている・・人は死ぬことを教えないから命の大切さが判らない。

  ・死刑が極刑であるためには、人間が一番恐れるのが死、人生における最悪の出来事であるとの前提が必要・・現代はその前提は崩れている

  ・モノの良し悪しを自分でしない・・ファーストフードの味に馴染み、行列の出来る店や口コミ・ネット情報に依存


 3)人は健康で文化的に生きる権利がある

  ・人の心に二極化が起こっている・・「ボロは着てても心は錦・・」・・貧乏人であることを恥じない

  ・ハンディキャップの人たちに表面的な言葉は優しく、言わないようにしようとするが、「盲人が暮らしやすい社会にしようとの積極的な方向性はない。・・西欧のほうがハルカにハンディキャップに優しい

  ・環境問題で地球温暖化、ゴミ問題と声高だが、モノを大切に使うとの方向に向かない・・パーツの取替えより、企業は使い捨ての利益追求・・大量生産・大量消費の不況対策を煽る   

  ・死ぬ瞬間まで今の自分が最高と思いながら生きるのだ・・子供に好きなように生きるように勧めて、核家族、弧縁・無縁社会の誘発の必然・・老人問題を金で解決しようと思わずに、みんなが貧乏で人と人とが肩を寄せ合いながらの生き方もある

  ・礼儀の大切さ・・喫茶・茶の湯文化は絆、振るまいの精神・作法文化(「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」山中直樹著)

  ・目に見えないことに尊さ、敬いの心を習慣化・・隠れ佛教として仏壇に手を合わせる・・人との絆・・一日の反省

  ・科学の進歩とともに、神様の居場所が人間界から遠ざかった

  ・医は仁術か商売か・・医療保険という完成された金儲けシステム・・死ななきゃならないとの覚悟が大事・・私はガンジーの言葉・一日の命と毎日を過しています

  ・金で買える範囲の幸せ・・金がすべての社会になって飢餓感が消えた・・世の中が滅茶苦茶になっても必ず得をする自分がいるの世界・・サブプライムローン契約社員やアルバイト・・利益の最大化を求める資本主義の課題

  ・笑いに上も下もない、善悪も関係ない・・善悪の彼岸なのだ!・・意見とおしつけの差が理解できない・・冗談の通じない、毒気と牙が抜かれた味しか判らない・・ニーチェ的に言えば私の好きな言葉;「悪意の如く振舞う気位の高い慈愛もある」

  ・自分の生身の感覚よりも、ネットだの何だのでランキングや口コミをチェックして選ぶ人が増えている・・ガールフレンドを選ぶのにも、ネットで評価をチェックするようになる!・・インターネットという仮装空間上の仮装の場所の世界

  ・当たり障りのない綺麗な言葉や歯の浮くような言葉で誤魔化しで言い換えて、ないことにしようと言う日本人の常套手段は止めよう


   『  リルケの悲歌より思い出すままに!

     いかに私が叫んだとて

       遙かの高みから天使の声を聴こうぞ

         よし、天使の序列に連なる一人が

           不意に私を抱きしめようと

       私はより激しい存在の情熱に滅びるであろう      』