「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・46

Dr.BEAUT(Dr.ビュート)流ダイエット法と評価の高いダイエット法との比較;アトキンス、オーニッシュ、ゾーン、ラーン、地中海、低脂肪食・・9・・地中海ダイエット法


「淡食麁茶」の今日的な意味・・39・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために・29・・

 「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な実践生活を学ぶ・・46

 信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどのネットで販売中。アップルのアップストア(App Store)の電子書籍としても販売している)

 
 Dr.ビュート流のダイエット法は、日常生活で実践しやすいをモットーとして、グリセミック指数の高い白米、精製小麦食材、砂糖を沢山用いた食材以外は、動物性肉食(魚を含む)と野菜・根菜類・全粒穀物類は豊富にとの食事ガイドラインとして、体幹筋を鍛える運動を常に心がけた努力を怠らないと単純化しています。

 基本とすべきは、既に肝・骨にまでしみこむほどの理解をしてもらうほどに繰り返しています以下の条件を満足するかです。

  1)グリセミック指数(glycemic index)の食材・食品は最小限に

  2)グリセミック負荷(glcemic load)が高くなるような食生活はしない

  3)フードファディズム(food faddism)にオチイラナイ

  4)セデンタリーライフスタイル(sedentary lifestyle)な生活をしない

  5)フィトケミカル(phytochemical)食材料理摂取に心がける・・しかし、植物食材に含まれる成分(例えば、βーカロチン、ビタミンC、カテキン類などのポリフェノール類、ミネラル類など・・)を含む健康食品カプセル、ドリンク剤、錠剤などとして個々の成分が“健康に良い!”と摂取しても、その効果とは別の話!! 前向き大規模ランダマイズ(無作為)試験で例えば、βーカロチン、ビタミンCやビタミンEほどの良く知られたビタミン類でも効果は否定的!!


 以上の五項目を念頭に地中海ダイエット法を検証します。

 前回述べましたように、地中海ダイエット法は、AHAダイエット ガイドライン(次に取り上げる低脂肪ダイエット法)のような統一された食スタイルの基準は提示されてはいませんので、ここでは、K. Espositoらの食スタイルを基本としたお話とします(Effect of a Mediterranean-Style Diets on Endothelial and Markers of Vascular Inflammation in the Metabolic Synrome A Randomized Trial,JAMA,2004,292,1440ー1446)。

 食事のレジメは以下のような一日の食構成です。

  炭水化物;50〜60%

  蛋白質;15〜20%

  脂肪;<30%

 AHAダイエット ガイドラインは低脂肪食ダイエット法と位置づけられていますが、脂肪の1日摂取カロリー%は地中海ダイエット法と同様に<30%となっています。

 それ故に、地中海ダイエット法、AHAダイエット ガイドライン法のいづれの欧米を代表するダイエット法は脂肪を30%以下にするように進めていると判りますが、我が国の食によるカロリー構成は、炭水化物;55%、蛋白質;25%、脂肪;20%(20〜25%)ですから、我が国の脂肪摂取量が如何に少ないかが判ります。


 地中海ダイエット法の食材・料理については以下の如くです。 

  ・ 炭水化物食材・食品料理については;グリセミック指数が高くない食材である全粒穀類(whole grains、白米、精製小麦などではない)として、米、豆、とうもろこし、小麦などを1日400グラム摂取。

  ・ フィトケミカル成分を含む食材・食品料理;1日当たりとして次のようです。

                    野菜・125〜150グラム、果物・250〜300グラム、くるみ類・25〜50グラム

  ・ 脂肪食材・食品料理については;1日当たりとして: オリーブ油・8グラム、コレステロール・<300グラム、飽和脂肪酸・<10%、不飽和脂肪酸が豊富な食材を食するように努めるも、ωー6系の不飽和脂肪酸は少なめに、ωー3系の不飽和脂肪酸をおおく含む食材を選ぶ。

    ω−6系の代表はリノール酸(linoleic acid、不飽和脂肪酸が二個)で大豆、コーン、ゴマ油に多い

    ωー3系の代表はリノレン酸(linolenic acid、不飽和脂肪酸が三個)でシソ、ゴマ油

    オレイン酸(oleic acid,不飽和脂肪酸が一個)でオリーブ、ヒマワリ油、アーモンドなどのナッツ類

  ・ 食肉類についてはK.Espositoらによる論文では言及してはいませんが、P. Kris-Ethertonらによる論文(Lyon Diet Heart Study,Circulation,2001,103,18231825)では魚は多めに、牛肉、豚、ラムは少なめにして家禽類に心がけるとあります。
   
    また、バターやクリームは少なめで、リノレン酸をおおく含むマーガリンを多めにするように進めていますが、今や最早古い考えとなりました。
    マーガリンはトランス脂肪酸を多く含んでおり、発ガン性や血管の老化が問題となって要注意食品となっています。

    例えば、マーガリンのみならず、どんな肉類が良いとか、どんな食材料理や商品が良いかは、刻々と変わります。

    私が医学部の学生の時の授業では教授が魚類は不飽和脂肪酸が多くて良くないから牛肉などの食肉が良いと教えられたものです。

    また、青魚が良いと言っても不飽和脂肪酸は酸化しやすいから新鮮なうちに適切な料理法によって初めて意味があるのです。

    栄養学は一面的なデータでの思い込み、つまり、フードフャディズムにおちいらないようにくれぐれも注意しなければなりません。

    基礎実験や動物実験で良かったからと言って、その成分く含む健康食品や一品健康主義的な食品の摂取は止めるが賢いです。

    ビタミンC,E,βーカロチン、葉酸、ビタミン12などの良く研究されたビタミン類でもカプセルや錠剤摂取による、前向き大規模ランダム(無作為)試験では効果は否定的だと言うことです。
    効果の白黒する前に情緒的な判定か、途中で目移りしてしまっているから被害者は少ないかも知れませんが、イイカゲンな情報発信が多く、原発事故での情報不信以上に、不信に思った方が良いでしょう。
    産学一如の利益の最大化を求める“商業主義”の盛んな海千山千の領域ですからフードファディズムの温床となっています。
    
  ・ 運動については、セデンタリーライフスタイルとならないように、次のようです。

     運動レベルは1日最低30分以上は歩くことを進めています。

     また、有酸素運動として水泳やサッカーなどのボールゲームをするように進めています。


  Dr.ビュート流のダイエット法と比較しますと、グリセミック指数の低い炭水化物摂取をすすめる点では共通する食材を料理しますが、地中海法ダイエットではグリセミック負荷が高くなるために、体重減少を目的にした場合にはカロリー制限が求められるようになるのです。

  また、現実には、脂肪の摂取量、脂肪酸の種類を考えての摂取量、コレステロールの摂取量などは継続は私には日常的な困難さとなります。

 また、運動については、Dr.ビュート流では、体幹筋の増強に重点を置くことがポイントです。

 しかし、地中海法ダイエットは、概観すれば、地中海性気候の豊かな環境での産物たるオリーブとナッツ類を楽しみ、野菜、果物類はフンダンに食べ、魚や鶏肉や牛などの肉食を心豊かに食べる生活だとなります。

 あまり、アレヤコレヤの難しいことはサテオキ、文化的にも地域の伝統を大切にしながら楽しく、陽気に生きる人間的な生活スタイルが肝腎でレッスンワンの世界!!。