「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・45

Dr.BEAUT(Dr.ビュート)流ダイエット法と評価の高いダイエット法との比較;アトキンス、オーニッシュ、ゾーン、ラーン、地中海、低脂肪食・・8・・地中海ダイエット法 & 低脂肪(AHAダイエット ガイドライン)ダイエット法の概観


「淡食麁茶」の今日的な意味・・38・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために・28・・

 「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な実践生活を学ぶ・・45

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 前回までは、C.D.Gardnerらによる論文「Comparison of Atkins,Zone,Ornish,and LEARN Diets for Change in Weight and Risk Factors Among Overweiht Premenopausal Women, JAMA,2007,297ー977」で取り上げられましたダイエット法;アトキンス、オーニッシュ、ゾーン、ラーンと私のDr.ビュート(Dr.BEAUT)流のダイエット法との比較をしながら、食や運動を含む生活習慣での取り組みの基本を説明してきました。

 今回からは、I.SHeiらの論文「Weiht Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet, New Eng. J. Med.2008,229-241」で取り上げられていますアトキンス法(Low-Carbohydrate)と比較されています地中海スタイル(MediterraneanーStyle)ダイエット法、低脂肪(AHA Dietry Guidelines)ダイエット法とDr.ビュート(Dr,BEAUT)法と比較しながらの話題に移します。

 ここで、低脂肪(Low-Fat)ダイエット法と名づけているダイエット法(American Heart Association Dietary Guidelined, AHA Dietary Guidelines)は、アメリカの心臓連合American Heart Association)が栄養専門コミティーによる健康な人たちのための食事ガイドラインとして示したものです(RM Kraus ら, Dietry guidelines for healthy American adults: a statement for health professionals from the Nutrition Commetee, American Heart Association,Circulatrion,1996,1795-1800)。

 その後、AHA(American Heart Assciation)の食事のガイドラインとして、一般の人たちのための食事ガイドライン(Step 1)と心血管系の危険のある人、糖尿病、脂質代謝異常のあるような個別の人たちのためのガイドライン(Step 2)を追加改訂しています(RM Kraus ら、AHA Dietary Guidelines Revision 2000:A Statement for Health Professionals From the Nutrition Committee of th American Heart Association,2000、102,2284−2299)。


 一方の地中海スタイルのダイエット法(Mediterranean-style diet)については地中海を囲む地域の国々(少なくとも16各国に及ぶ)での食生活を基にした食事法を意味しており、アメリカのAHA Dietary Guidelinesのようにシッカリしたガイドラインが現状ではありません(P. Kris-Ethertonら、Lyon Diet Heart Study Benefits of a Mediterranean-Styェ、National Cholesterol Education Program/American Heart Association Step I Dietary Pattern on Cardiovascular Disease,Circulation,2001,103,1823-1825)。

 まずは、1960年代初めのギリシャ南イタリア地域での食生活パターンを基本としています。

 しかし、地中海地域の文化、民族、宗教、経済、農業生産物などに相違があり、日常の食生活も異なることになりますから統一基準は簡単ではありません。

 それ故に、一つの地中海スタイル ダイエット法としてアメリカのAHA ダイエットガイドラインとしては統一されたものがありません。

 それでも地中海スタイル ダイエットと言える特色ある食事パターンはあると言えます。

地中海スタイル ダイエット法を特色づけて大切にする食事スタイルたるパターンでの食材基本は以下の如くです。

 野菜、果物、パンやその他の穀物、ジャガイモ、豆類、ナッツ類や種子を各種、たくさん食べる。

 脂肪源とし毎日のオリーブ油、魚、鳥類を適切な量を食べる。

 卵は、一週間に4回、赤みの肉は少なめに。

 ワインは中等量までとする。


 次回からは、地中海スタイル ダイエット法と低脂肪食と分類されるAHA ダイエットガイドラインについて、もう少し具体的な食スタイルの解説とします。

 地中海スタイル ダイエット法についても、前述したP.Kris-EthertonらによるLyon Diet Studyで、一般的な人達用のStep Iダイエット法として、個別の病気や課題のある人たちとのダイエット法とを区別して考えようとしています。

 我がDr.ビュート(Dr.BEAUT)流のダイエット法が一律ではなく、個別の人の課題を問題とする理由も、そこにあるのです。

 地中海スタイル ダイエット法はヨーロッパを、AHA ダイエットガイドラインアメリカを代表する、単なる痩せるためだけの食スタイルを示すのではなく、本来の意味のDiets、つまり、日常の栄養面からの健全な食生活をガイドなのです。

 食材や料理法にあっては、必要条件として、1)フードファディズム(food faddism)におちいることなく、2)フィトケミカル(phytochemical),3)グリセミック指数(glycemic index),4)グリセミック負荷(glycemic load)の立場からも成り立っているかが重要です。

 その上でも、生活習慣として5)セデンタりーライフスタイル(sedentary Lifestyle)におちいったら、健全な食や生活スタイルとは言えません。

 今後も、あの手この手のダイエット法や健康に良いと称する食品や栄養材等が出没するとは思いますが、何時も、上述の5項目に矛盾しないかの注意、検討を忘れないようにして下さい。