臨床喫茶学・・レトロ・モダンの喫茶ワールドでライフスタイルを学ぶ・・6

 日本の国の成熟とはを考える・・4・・奈良美智のアートと未成熟ー成熟の世界;「ネオテニー(neoteny)、アドレセント(adolescent)」

 奈良美智は、草間弥生村上隆とともに、今日、国際社会に通用している現代アートの旗手であり、ネオテニー、アドレスセントといわれるような「未成熟」・「成熟」な少女や犬などを題材にして絵画や三次元的・四次元的表現活動で活躍している。

 ニューヨークのロックフェラー三世が設立に関わったAsia Society Museumで、2010年9月9日から2011年1月2日まで「YOSHIMOTO NARA Nobody's Fool」が開かれた(Yoshimoto Nara Nobody's Fool, Asia Society Museum in Association with Abrams,New York).

 奈良美智は、愛知県立芸大卒後、1988年から200年までドイツに滞在した1990年代に未成年ー大人の心の悩み、両性具有的な身体での精神性を作品としています。

 彼は、過激なロック音楽のパンクロックが好きで、音楽を響かせながら作品を画いたり、制作するという。

 孤独で未成熟な子供の不安、悲しみ、怒り、臆病な心理状態を楽器を奏でる少女の姿で表現した作品も多いのです。

 奈良美智の音楽性や精神性ある作品は、パウル・クレーと通ずる世界を感じさせ、絵画表現は、ミニマルな単純化、最小限を求め、平面的であり、日本画や浮世絵的な画き方になっています。

 つまりは、藤田嗣治に通ずる日本的伝統が引き継がれているようです。

 
 私が奈良美智の作品として注目、好きな作品は次のようなタイトルの作品です。

  ・1991年 「No Means No」

  ・1999年 「U-ki-yoe No Nukes Love and Peace」

  ・2001年 「No!」

 これらの作品からは、臨床喫茶学が目指す、明らかに戦力・暴力無き平和な「成熟」世界を望み、願っていることが伝わってきます。

 さらに、1991年に画かれた「Vision of Pyramid of Dogs」に始まり、2001年の造形作品の「Fountain of Life」や「Fountain of Sorrow」は、 既に紹介した東浩紀の言う「規律訓練型権力」社会から「環境管理権力」社会に変わる人間社会の動物化した管理社会の到来を予告しているようです。

 IT社会を向かえて不安と不信な時代を「未成熟」少女や動物を介したアート作品で日本的平和な「成熟」の道を示しているのだと私は思いながら観る奈良美智の作品が好きです。

 ワンちゃんの木製オモチャ、ヌイグルミや少女・「the little wanderer」などの動かせるフィギュアーを飾って楽しんでいます。

奈良美智の作品を観ていると人間的なコミュニケーション文化としての喫茶・茶の湯を介した不安と不信の時代の課題を提起していると思うのです(「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどのネットで販売中。アップルのApp Store電子書籍としても販売している)。


『  Nara Yoshitomo's Wander

Tell me the story of your life, In the empty fortress,

Oh! My god! I miss you, Gone with the cloud,
Some where in the sleepless night, Walking the longest night,
 Make the road, Follow the road, To the city, Nobody know,
So far apart,
Let's go home, THere is no place like home,

Lonesome baby! Walking alone, Forever alone,
As tears go by,
Dog from your childhood, Plant and dog in the rain,
Come on! Come's on! C'mon! C'mon!
Stand by me, Stand by me!

Fountain of life, Fountain of sorrow,
It's better to burn out than to fade away!!     』 
  奈良美智作品のタイトルから組み合わせた私の歌)