臨床喫茶学・・レトモ・モダンの喫茶ワールドでライフスタイルを学ぶ・・5

  日本の国の成熟とはを考える・・3・・四人の日本人音楽家グラミー賞・・黒沢清監督映画「トウキョウソナタ」的な日本人『成熟』の道!!
 
 「日本の国の成熟とはを考える・・1」で取り上げました黒沢清映画で、ケイジ少年がドビュッシーの「月の光」をピアノで弾くシーンで終わっているのですが、西欧的な戦力・武力を持つことが成熟と見なす道とは異にする、武力・暴力を否定した日本的な成熟の道を暗示しているようでしたが、ケイジ少年の目指す成熟の道と言える第53回グラミー賞で日本人の音楽家が4人受賞しました。

 今回が日本人受賞の初めてではないのですが、今回は受賞者四人のそれぞれのジャンルが素晴らしい。

 ・ 最優秀器楽ソリスト演奏賞受賞のクラシックピアニスト・内田光子は西欧で育ったソロやオーケストラとの協奏などとグローバルなピアニスト。

 ・ 最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞の上原ひろみはピアニストとしてジャズと言うジャンルに拘ることなく、ソロやコラボレーションを国境を越えて活動する演奏家

 ・ B'zのロックギタリストの松本孝弘は、ポップ部門での受賞であり、アメリカ音楽の主流的な部門に食い込んだと言えますが、J-POP活動がベースにある演奏者が受賞したことに注目です。

 ・ 琴奏者の松山夕貴子の受賞は最優秀ニューエージ・アルバム賞受賞で日本の楽器を用いた海外でのコラボレーション演奏が評価されたとなります。


 いずれの受賞者も外国での活動やコラボレーションによる活動が評価されたと言えます。

国際社会でのマージナルなコミュニケーションが重要だと判ります。

 内田光子はクラシックの演奏家ですが、他の受賞者はポピュラー音楽の世界で活躍していることが評価されたことが素晴らしい。

 良く知られた演奏家とは言え、日本国内的な評価やポピュリズムとは必ずしも一致していませんが、外国の演奏家とのコラボレーションが可能と言うことは、逆に、日本人による平和な成熟がグローバル性があることを示しているようです。

 能管や篠笛を吹いておりながら、恥ずかしことに、私自身は、日本の楽器たる琴演奏者の松山夕貴子を知らなかったのが恥ずかしく残念です。

 過去の受賞者のニューヨーク在住の作曲家で知られる坂本龍一シンセサイザー奏者の喜多郎もクラシック界ではありません。

 近い将来、世界中の楽器を駆逐しながら演奏し日本語で歌うシンガー ソングライターのトクマル シューゴ(Rum Heeなど)が受賞するのは近いのではないかと期待です。

 声楽家が受賞するのが待たれます。

 
 クラシック音楽の世界では、若手の登竜門たる世界三大コンクールと言われるコンクールでの日本人優勝者について概観してみましょう。

 1937年以来のエリザベート王妃国際音楽コンクールではヴァイオリニスト・堀米ゆず子が1980年に、1993年には戸田弥生が優勝に輝いています。

 1958年以来のチャイコフスキー国際コンクールでは、1990年にヴァイオリニスト・諏訪内晶子が優勝して以来、ヴァイオリン部門のみならず、1998年に声楽部門で佐藤美恵子が受賞、ピアノ部門では、上原彩子、最近では、2007年に力強いヴァイオリン演奏家神尾真由子が輝いています。

 特に、我が国が弱い声楽部門で優勝した佐藤美恵子の将来が注目です。

 1927年以来のショパン国際ピアノコンクールでは、優勝者を輩出していません。

 今回のグラミー賞受賞の内田光子が2位に輝いています。


  若手登竜門で頭角を現した人たちが今後、次々と国際的なアーティストとしての評価の高い賞を受賞する人たちが続いてほしいと期待です。

 日本の目指すべき「未成熟」から『成熟』への道の象徴として、映画、アートやスポーツの世界、宇宙の世界などなどと平和な世界でグローバルな人たちの活躍が期待です

 ノーベル賞の世界でも、平和賞やまだ一人も排出していない経済での賞を受賞する人たちが続出して欲しいと日本の『成熟』に希望を持ちます。 


『   ピアニスト・辻井伸行

    チャイコフスキー国際コンクール
     第一回優勝者・ヴァン・クライバーンを祝した
      ヴァン・クライバーンコンクールに優勝
         うれしいな!!

    日本の「未成熟」・「成熟」の希望の星だよ!
     ガーシュインのクラシック・ジャズの融合・発展に続く
      日本・クラシックの創造に輝いて!!          』