「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・33
「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な生活実践法を学ぶ・・33
「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどで販売中)
「淡食麁茶」の今日的意味・・28・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために・18・・動脈硬化を予知する因子・8・・Non-HDLcholesterol(総リポプロテイン−HDLコレステロール)
今回は前回に続いて、血中のリポプロテインの内で善玉コレステロールと言われるHDLコレステロールを除いた脂質蛋白(Non-HDL cholesterol)に与えるアトキンダイエット法及び他のダイエット法の比較検討した結果についてのお話とします。
主なリポ蛋白はHDLコレステロール、LDLコレステロールとVLDLコレステロールからなります。
それ故に、Non-HDLコレステロール=VLDLコレステロール+LDLコレステロール−HDLコレステロールとなります。
VLDLコレステロールは、very low density low density Proteinと言われ、LDL以上に動脈硬化にとって要注意因子です。
−は低下を意味します。
ダイエット法によるNon-HDLcholesterolの低下
ダイエット法 6ヵ月後 12ヵ月後
アトキンス法 −4.7 −5.1
Zone法 −3.7 −0.5
LEARN法 −5.6 −4.0
Ornish法 −4.7 −6.8
ダイエット開始後6ヵ月でのNon-HDLcholesterol値の減少順位は次のようです。
LEARN法>アトキンス法=Ornish法>Zone法
ダイエット開始後12ヶ月では
Ornish法>アトキンス法>LEARN法>Zone法
以上よりNon-HDLcholesterolの減少では、高炭水化物・低脂肪食法のOrnish法、続くのが低炭水化物・高脂肪食法のアトキンス法だと判ります。
アトキンスダイエット法は高脂肪食であっても悪玉的なリポプロテイン(リポ蛋白)は増加しないのです。
つまり、この四回にわたり紹介した如くに、高脂肪食ダイエット法たるアトキンス法では、善玉コレステロールと言われるHDLコレステロールは増加し、悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールは意味のあるほど増加せず、Non-HDLcholesterolは増加傾向ではなく良好な低下を示すことが明らかとなったのです。
脂質成分は脳神経系のキーとなる成分で、体内の総コレステロールのうち三分の一は脳で必要なのです。
食事から吸収されるコレステロールの占める量は一日300ミリグラムほどが限度で、人が必要とする一日コレステロール量は1グラム以上で大部分が体内で合成されたり、胆汁で再吸収される事実を考えあわせるとコレステロール摂取についてはあまり気にしなくても良いのです。
また、中性脂肪のトリグリセライドの低下がアトキンス法で最も顕著な効果を示すことは、ムシロ炭水化物の方が危険だということです。
今後紹介したいと思いますが、グリセミック指数の高い炭水化物をたくさん食べて、グリセミック負荷を高めることの方が動脈硬化性変化を誘発し易いと理解した方が良いのです。
次回からは、アトキンスダイエット法などの血中インシュリンや血糖に及ぼす影響の検討とします。