「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・30
「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な生活実践法を学ぶ・・30
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「淡食麁茶」の今日的意味・・25・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために・15・・動脈硬化予知する因子・5
前回に続けて、Gardner,C.D.らによる論文からの紹介です。
本論文では残念ながら、Shaiらの論文にあった動脈硬化予知因子としての高感度CRP,アディポネクチン、レプチンなどの検討は為されていませんので紹介できません。
しかし、Shaiらの論文から紹介した善玉コレステロールと言われるHDLコレステロール(HDL)、悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロール(LDL)、中性脂肪のトリグリセライド(TG)に加えて、HDLコレステロールを除いたリポ蛋白質としてのNon-HDLコレステロール(Non-HDL)を検討していますので、順次取り上げます。
今回は、HDLとします。
+は増加を、−は低下を意味します
HDLコレステロール(HDL)の増減
ダイエット法 6ヶ月後 12ヵ月後
アトキンス法 +5.1 +4.9
Zone法 +3.3 +2.2
LEARN法 +2.1 +2.8
Ornish法 0.0 0.0
ダイエット法と善玉コレステロールと言われるHDLの増減の結果です。
超低炭水化物・高脂肪食ダイエット法のアトキンス法でHDLの増加が最も顕著だと判ります。
アトキンス ダイエット法とは逆のダイエット法といえる、高炭水化物・低脂肪食ダイエット法のOrnish法では、ダイエットによるHDLの増減はなく、他の低炭水化物・中脂肪ダイエット法のZone法や高炭水化物・低脂肪+生活スタイルによるダイエット法のLEARN法がいずれもHDLが増加しています。
つまり、HDLにあっては、アトキンす法、Zone法ともに、低炭水化物で高脂肪、中脂肪と脂肪については多めのダイエット法の方が良い傾向にあることになります。
この結果は、Shiらによる論文の結果と一致して同様の傾向にありと判ります。
以上より、HDLの改善とダイエット法では低炭水化物で脂肪は多めに摂取するが良いのです。
多くの人たちは、逆の低脂肪・高炭水化物が良いと誤った先入観を持っていないでしょうか。