「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・28
「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な生活実践法を学ぶ・・28
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「淡食麁茶」の今日的意味・・23・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を得るために・13・・動脈硬化予知する因子・3
今回も、Shi,Iらによる論文からの紹介を続けます。
今回は、いわゆる善玉コレステロールと言われ、上昇が良いとされるHDLコレステロール(HDL)、悪玉コレステロールと言われ、低下が良いとされるLDLコレステロール(LDL)、低下が望ましい総コレステロール/HDLコレステロール比(TCHO/HDL)、及び低いが良いとされ、グリセミック負荷が高いと高値となる中性脂肪のトリグリセライド(TG)について取り上げます。
比較されたダイエット法も前回紹介した如くで、再度、その基本をまとめておきます。
アトキンス法は、超低炭水化物、高脂肪、カロリー制限無し
地中海法は、オリーブ・ナッツ、中脂肪、カロリー制限あり
低脂肪食法は、アメリカ心臓連合のガイドラインによる
脂肪制限・・一日総カロリーの30%まで
カロリー制限あり
ダイエット法 ダイエット6ヶ月後 ダイエット24ヶ月後
HDL
アトキンス法 4.8 8.4
地中海法 2.0 6.4
低脂肪食法 1.7 6.3
LDL
アトキンス法 1.0 −3.0
地中海法 −4.3 −5.6
低脂肪法 −0.2 −0.05
TCHO/HDL
アトキンス法 −0.8 −1.1
地中海法 −0.5 −0.9
低脂肪食法 −0.3 −0.6
TG
アトキンス法 −40.0 −23.7
地中海法 −23.0 −21.8
低脂肪法 −11.7 −2.8
上昇が望ましいHDL(善玉コレステロールのHDLコレステロール)では、アトキンス法で最も上昇して、地中海法と低脂肪法では上昇は認められるもほとんど同じレベルとの結果です。
低下が望ましいLDL(悪玉コレステロールのLDLコレステロール)では、最も顕著な低下が認められたのは地中海法でした。
アトキンス法と低脂肪法では、ほぼ同様の結果で、上昇傾向ではなく低下傾向にあると言えます。
低下が望ましいTCHO/HDL(総コレステロール/善玉コレステロール比)では、アトキンス法で一番の低下結果で、地中海法が続きました。
改善が最も悪かったのは低脂肪食法だと判ります。
低下が望ましいとされるTGH(中性脂肪)では、アトキンス法で最も顕著な低下が得られているのが明らかです。
続くのが、地中海法であり、一番改善、低下が悪いのは低脂肪食法なのです。
以上より、アトキンス法で、HDLコレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比、及び中性脂肪の改善にとって、他のダイエット法より優れていると判ります。
悪玉コレステロールのLDLコレステロール低下については、地中海法が最も優れているとわかります。
しかし、アトキンス法ではカロリー制限なしの高脂肪食であるにもかかわらず、カロリー制限のある低脂肪食法と比べてもそん色なしだと言えます。
つまりは、動脈硬化予知因子は、今回のHDLコレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比、中性脂肪、前回取り上げました高感度CRP,アディポネクチンともども、アトキンス法で一番優れた改善を示すことが判ったと思います。
他のレプチン、LDLコレステロールでも改善傾向を示して、悪化する傾向にはないのです。
肝腎の体重減少についても、一位がアトキンス法、二位が地中海法、三位が低脂肪食法の順位でした。
私が提唱しているアトキンス法より炭水化物制限はゆるくした改善をしたDr.ビュート(Dr.BEAUT)流のダイエット法で、私自身は一ヶ月平均で一キロ程の体重減少が得られて、18キロほど低下させましたが、現在は目標体重を維持するために減少傾向となったら炭水化物制限を緩和して、ほぼ一定の体重を保っています。
Dr.ビュート流のダイエット法を私のガイドに従って実践した人たちは体重減少に成功しています。
カロリー制限なし、低炭水化物、動物性食肉を食べるは自由自在のダイエット法は、動脈硬化予知因子の改善も伴ないつつ体重減少が得られるのです。