「臨床喫茶学」のための「信天翁(シンテンオウ)喫茶」・・21

 「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な生活実践法を学ぶ・・21

  「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどでネット販売中)


 「淡食麁茶」の今日的意味・・16・・健全な身体に健全な精神が宿る生活実践力を養う知識を得るために・5

 「淡食麁茶」は、人が生きるための食と水分を摂取することを意味する臨床喫茶学的な表現ですが、飲食はナニハサテオキの必要条件は、楽しく食事をすることです。

 その飲食を介して生きる喜びと人との心の絆・連帯が生まれるのです。

 一方で、飲食は、今日的にはダイエットと美貌・美肌、知性のための有力な手法として期待されています

 しかし、このシリーズ、「淡食麁茶」の今日的意味・・11,12で取り上げましたようにフードサディズムとセデンタリー ライフスタイル的過ちの誘発、氾濫しています。

 一品健康主義、科学性のない”食品”、不思議な健康器具など、枚挙できないほどです。

 最近の新聞記事でも、特定保険用食品(特保)に指名されて人気のあった「エコナ」に発ガン性が疑われて発売が中止されており、野菜偏重が骨折のリスクを増すから肉食を、体重減少が死亡の危険を高くするとヨウヤク、我が国でも痩せの方が肥満より死亡の危険が高いことが取り上げられました。

 痩せの危険性はフランスやスペインでBMI(体格指数)が18以下ではファッションモデルとして採用しないぐらいに広まっており、国会で痩せを奨励することを禁じようとするぐらいなのです。

 感染症、うつなどの精神的弱者、自殺・事故死、脳出血などが増加するからです。

 そして、欧米型食事が長寿を呼ぶ、高コレステロールで長生きだとかの報道も、ヨウヤク取り上げられるようになりました。


 「アトキンス式低炭水化物ダイエット」(ロバート・C・アトキンス著、荒井稔訳、河出書房新社、2005年出版)や「世界一の美女になるダイエット」(エリカ・アンギャル著、幻冬舎、2009年出版)などと既存の栄養学の常識に反するような著作物が話題となるようになったのです。

 低炭水化物によるダイエット法が、国際的評価の高いダイエット法と前向き無作為試験による比較研究で、最も有効なダイエット法であることが、国際的な一流紙に論文が2005年に出され、2007年、2008年と他施設のグループによる試験によっても、その優越性が認められた論文が続いています。

 提唱者のアトキンスの死後の論文ですから恣意性が少ない研究結果と言えます。

 その三つの論文を紹介しますので、いずれの論文もPubMedから誰でもが無料でダウンロード可能ですから、是非ともお読みいただきたいと思います。

 1, M.L.Dansinger 他、Comparison of the Atkins, Ornish, Weight Watchers,and Zone Diets for Weiht Loss and Heart Diease Risk Reduction, A Randamized Trial, JAMA,293,43〜53,2005

2, C.D.Gardner 他, Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Over Weight Premenopausal Women, The A To Z Weght and Loss Study: A Randomized Trial, JAMA 297,969〜977, 2008

3, R.D. Iris Shai 他、Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranean, or Low-Fat Diet, N. Engl. J. Med., 359, 229〜241、2008