「臨床喫茶学」のための「信天翁(アホウドリ)喫茶」・・4

 臨床喫茶学・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な実践生活法を学ぶ・・4

  「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどでネット販売中)を実践する


   「淡食麁茶」の今日的意味・・2

  ワビ・サビの茶の湯では、淡食と言える懐石・茶懐石といって、茶会でお茶を飲む前の食事として、お腹を暖める程度の一汁三菜のご飯・香の物と汁に加えて菜三品からなる食事を食するのです。

  三菜は膾、平皿、焼き物の三菜を添えたものを意味します。

  淡食と言っても、ただ単に過食にたべる貪食とは区別する必要がありますが、人間が健康で文化的な生活をするために必要な食餌・食事でなければなりません。

  人間が食餌から摂取しなければならない条件は以下の如くです(「お茶健康記」、山中宗直(直樹)著、淡交社)。

  ・ まず、命を維持して、知的・運動的能力を発揮するために必要なエネルギー・カロリーとなる成分の摂取で、体内でエネルギーとして使われるATPを産生するためです。

   炭水化物、脂肪、蛋白質は必要なエネルギーを産生するための食餌成分なのです。

  ・ 加えて、ATPを産生、利用して人間的な運動・知的な活動をするための身体の構造と機能を営むために必要だが、体内で作ることの出来ない成分を摂取する必要があります。

    ビタミン類、鉄、カルシュウム、マグシュウムなどのミネラル類、八種類(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、リシン、メチオニンフェニルアラニン、トリプトフャン)の必須アミノ酸類と四種類(リノール酸、γーリノレン酸、アラキドン酸、エイコサトリエン酸)の必須脂肪酸類です。

    その他にも、動物性食材や緑黄色野菜、穀物、根菜類、豆類・果実・キノコ・藻類などの植物性食材が含む、まだまだ、判っていない食材成分があると予想されます。

    植物栄養素には必須栄養素だとはハッキリしていませんが、フィトケミカル(phytochemical)と言われる病気の予防や健康を維持増進するための成分があると研究がなされています(ポリフェノール類、テルペノイド、糖関連化合物、有機硫黄化合物や長鎖アルキルフェノール誘導体など)。
     また、グルタミン酸イノシン酸グアニル酸などに加えて、辛味、旨味などの成分を含んだ料理を美味しくする成分を含む食材や料理法も重要です。

   つまりは、淡食は、人にとって生きるに必要にして不可欠な栄養成分摂取に加えて、ただ単に食べれば良いのではなく、健康を増進し、心が豊かになるような食事が楽しめなければならないのです。