「臨床喫茶学」のための「信天翁喫茶」・・1

   「臨床喫茶学」・・お互いが平和で心豊かになり健康で文化的な生活法を学ぶ・・1

     「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどのネット販売中)の実践


 前回までの「信天翁喫茶記」で取り上げてきましたように、喫茶・茶の湯は生活文化として「健康で文化的な生き方」を求めて発展しました。

 ここで、健康とは、WHO(世界保健機関)の言う身体的、精神的(心霊的)、心理的、社会的に良好な状態を意味します。

 「臨床喫茶学」と名づけたのは、大阪大学総長、哲学者・鷲見清一が「臨床哲学」と称した哲学の「社会・学」として具体的に今起きていることを考察する日常茶飯の哲学の復権を実践されていることに賛同、習っての命名です(『大澤真幸THINKING「O」六号』特集「生きることを哲学する」左右社)。

 喫茶・茶の湯は、おもてなしの心あるコミュニケーション文化であり、如何にWHO的な健康で文化的に生きるかを今起きているレベルで考察・実践する「社会・学」ではありませんか。

 私は、時代の変転が目まぐるしく不安の時代の今日では、まさに具体的に日常茶飯な実践すべき喫茶・茶の湯を考えるための「臨床喫茶学」が求められていると思うからの命名です。

 鷲見清一・臨床哲学に続いて、現在は、臨床心理学、臨床社会学、臨床教育学などと臨床という言葉を付けた学問が発展したのです。

 そして、日常生活の中で知識の獲得ではなくて、何かを考えるための集いとして、「哲学カフェ」を開催しています。

 その他にも、「サイエンスカフェ」、「アートカフェ」、「金融カフェ」などと社会的想像力の集いが発展しています。

 一方で、地域ではコミュニティー喫茶も盛んになっています。


 喫茶・茶の湯は、健康・栄養、修行、儀礼、娯楽・遊興・社交、芸術、平和な生き方を学ぶ人間的で自然・宇宙との絆・共鳴も求めた生活綜合文化で、日常茶飯の生活にあっての出来事の表に表れた現象から、その背景や普遍性との係わりを考えながら社会的平和力を育みながらの自活力ある生きる道の模索・実践を目指した「臨床喫茶学」を立ち上げたのです。

  グローバル(地球規模)時代に通用する日本のグローカル(地域性ある地球的視野)文化の喫茶・茶の湯文化がレトロ・モダンなノマドジー文化としてのグロースカル(地球的視野の発展)な成長を目指しながら一人一人が自活力あるゆるやかにつながる心の絆・連帯を保ちながらの心豊かな日常茶飯を生きるための「臨床喫茶学」です。

 ノマドジーは、世界各地を移動し、絶えず外部や他者との関係を拡大しながら遊牧的な生き方をする概念です。

 能や連歌などとともに中世に輝いた風雅文化たる喫茶・茶の湯のための会所、茶室、茶の間や床の間などと家族や人々が集い易い住居環境から、近年は個室化した生活住環境への変化となり、マスメディア、ITによる情報の介入が著しい生活様式や社会環境へと変転しています。

 加えて、生き方、命の在り様が遺伝子・再生技術や人工臓器、ロボットの発展や宇宙への進出によってスッカリ変わって、生と死、人と人、人と自然・天体・宇宙、人と科学・機械や平和について身近な課題として考え、日常生活で実践的な自分流の選択すべき行動が求められるほどのレベルとなりました。

 我が国の韻文世界たる万葉時代の人々の心情・愛・恋、自然・天体・宇宙、生活弱者への率直な優しさはどうなるのでしょう。

 今や、「淡食麁茶」、「美是唯淡」、「一期一会」を心とした「淡交」を多様なレトロ・モダンな喫茶・茶の湯の在り様を楽しみながら、心豊かなおもてなしの心を持って相手の立場を理解、生活弱者に優しい心配りをして人類の平和な生活を求めて「臨床喫茶学」誕生によるアリトアラユルことを話題とする「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」の実践です。