信天翁喫茶記

  心のイケメンある自活力・・迫る単身社会・無縁社会と自活力・・ゆるやかにつながる心の絆・連帯がキー・・15

    ・・不安の時代の自活力を育む・・

   「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の湯」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどでネット販売中)

 前々回の空也上人の続きとします。

 平安時代の喫茶は唐代の陸羽による喫茶法が基本の出茶でしたが、鎌倉時代に入ると栄西によって今日の抹茶法が伝えられました。

 栄西は鎌倉三大将軍・実朝が二日酔いなどで悩んでいる時に、自著「喫茶養生記」とともに抹茶を進呈したことでも知られています。


 鎌倉中期の真言律宗の僧・叡尊は、今日も残る大茶盛で知られる西大寺を復興した僧です。

 権力と結びつき過ぎたことから堕落した真言宗の僧たちの再生に努力をしたのですが、当時の仏教観では救済されない非人救済に熱心に努めました。

 また、社会事業としての宇治川の橋の修繕にあたり、今日的に言えば、網代を用いた漁師による殺傷を止めさせる代わりに布を川に晒す魚に優しい方法に変えさせたりしています。

 女性に対しても、閉ざされていた尼への戒を授ける授戒にも努めたのです。

 非人の救済や供養を盛んに行ない、施茶や儲茶を行なって、今日的なWHO(世界保健機関)の定める健康の為となる慈善救済に熱心だったのです。

 今日の喫茶・茶の湯者たちが忘れてしまって疎かにしている目線だと思います。