信天翁喫茶記

心のイケメンある自活力・・迫る単身社会・無縁社会と自活力・・ゆるやかにつながる心の絆・連帯がキー・・・3

    ・・不安の時代の自活力を育む・・

      「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/)

 信天翁喫茶は、前回、世界各地を移動し、絶えず外部や他者との関係を拡大しながら遊牧的な生き方をするノマドジーな人間関係の大切さについて紹介しました。

 その心は、民族、国家、身分の上下や貴賎を越えたゆるやかにつながる心の絆・連帯にあります。

 既に紹介したように、ジャック・アタリは21世紀の世界は、国家、民族を超えた超国家、超紛争、超民主主義、超資本主義の地球レベルの人間関係の広がりがすすむとしています。

 茶の湯は、大老井伊直弼が名著「茶の湯一会集」で述べている「一期一会」の集いを大切にしています。

 その集いは閉鎖的・固定的な人間関係を意味せず、その一会が一生一度しかないないとの思いを込めた心の絆・連帯を求めた集いなのです。


 信天翁喫茶が一番大切にしている点前は、流し点前としていますが、前回に述べた麁相の心を持ったノマドジーな自活力ある人間関係を育めます《「信天翁 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/》。

 流し点前は、あまり点前書では取り上げられない点前ですが、私は、初歩の盆略点前、平点前に続いて習得すべき一期一会の茶の心を大切にする点前だと思います。

 流し点前は、信天翁喫茶の最高位とするのは、炉の点前では点前をする亭主と客がお互いに炉を介して坐すことによりお互いに正面を向かい合って対座しながらの喫茶を楽しめるからです。

 風炉の流し点前では正面での対座ではありませんが、炉の流し点前と同様に、棗、茶碗を斜めに流して置きます(信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」)。

 今日でも四畳半以上の茶室には茶室畳の名称に貴人畳が残っており、貴賎上下を越える会のためのノマドジー茶の湯の世界では残念であり、変更すべ名称と習俗的用途だと思うのですが、風炉の流し点前ではその畳に水指を置くところが素晴らしくて、私には愉快です。


 流し点前は、信天翁喫茶が求める自活的ノマドジーなレトロ・モダンの喫茶・茶の湯によるゆるやかな心の絆・連帯を高める一期一会の心を内包しています。

 信天翁喫茶では流し点前をさらに進展させて、貴人畳の名称を越えて茶室の中央に風炉やレトロな火鉢を据えて、その周りに主客が坐して喫茶を楽しんでいます。

 進化するIT化によって人との関係の在り様が変わっていきます。

 そうした時代の単身社会・無縁社会の自活力あるゆるやかな心の絆・連帯は、国家や政治に期待するのではなく、国民一人一人が自活的に変わっていかなければならないのです。