信天翁喫茶記

   心のイケメンある自活力を育む・・古人の跡をもとめず、古人の求めたる所をもとめよ!!・・

    ・・不安の時代の自活力・・

    「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/)

ロジャー・パルバースの「ギフト〜E名言の世界〜」からの紹介を続けます。

 「古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ。Search not for the tracks of the people of old. Search for that which they aspired to.」。

 俳人松尾芭蕉の戒めです。

 表面的で権威的なことを記憶的従順さで学習する我が国の教育体質が陥りやすい国民的問題点の指摘だと思います。

 松尾芭蕉茶の湯で言えば利休にあたるような偉人です。

 利休は一族的な元禄時代に始まるような家元制は考えていませんでしたが、跡継ぎ的な人物を問われた時には、次のようだったと伝わります。

 細川忠興は、利休の茶の湯に忠実すぎるからと創造性を重んずる古田織部を指摘したのです。

 古田織部と言えば、バサラ大名といわれて、茶の湯に独創性を発揮した茶人です。

 織部焼きと言われるほどに創造性を発揮し、今日的に言えば、アバンギャルド・前衛芸術家でした。

 利休は茶の湯アバンギャルドの前衛創造性を煽動した茶の湯の創造者であり、織部の先導者です。

 利休が茶の湯の継承者と指名した織部ですが、前述の如く忠実・表面的な継承者ではありません。

 俳句の創成者といえる松尾芭蕉の名言「古人の跡をもとめず、古人の求たる所をもとめよ」は茶の湯の創成者千利休によってもキーワードだったと判ります。


 不安の時代の心のイケメンある自活力を育むためには、細川的な形式化・形骸化しがちな「古人の跡を求める」継承ではなく「古人の求めたる所」を学ばなければなりません。