信天翁喫茶:鎮めの自活力・・日常茶飯・常住坐臥・・

    「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/)

・・不安の時代の自活力を育む・・

 茶の湯・喫茶は日常茶飯・常住坐臥の生活文化だということはよく知られた言葉です。

 常住坐臥は常住と行住坐臥とを混合させた言葉です。

 前回の名言として取り上げました元ボクサー・輪島功一「簡単なことを一生懸命続けていくことはとても難しいのです。 It's hard to keep doing the easy things with all your might.」とは組み合わせて心しなければなりません。

 今日の“茶道”は江戸時代以後に確立した家元制を背景として、茶を点てる点前の所作や手順を習熟することが中心となっています。

 それ故に、今日の日常茶飯・常住坐臥の生活様式とは懸け離れた点前の様式文化となっています。

 つまり、今や伝統的な文化として、日常的には煩わしい、形骸化した文化として日常茶飯・常住坐臥とは無縁な特別の人たちの文化教室的な文化と思えてしまいます。

 そして、茶道具はオブジェ的か、財テク的な対象と化しているようです。

 しかし、国際性ある美術品としての評価が低いために、あまり海外の裕福層の対象とならず、価額は暴落しています。

 日本的伝統文化、ハイカルカルチャー的作家たちが、作れば国内価額特有の高額で売れた時代も去ってしまっています。

 かって、銀座などで店を張っていた人たちが、今日、元気がなくなった世界となっています。


 こうした現象は、日本文化が本来は日常茶飯・常住坐臥的文化であることを忘れているからだと思います。

 再び、表に表れた様式化・形骸化した日本文化に捉われることなく、その裏・背景に目を注いで、日常茶飯・常住坐臥の「簡単なことを一生懸命続ける」べきレトロモダン的創造思考が求められている、グルースカル(growthcal)文化としたいのです。

 そのキーワードは、「鎮めの自活力」。