信天翁喫茶記

 信天翁喫茶的ワビ・サビの自活力ある生き方・・「ガラパゴス化する日本」を読む

  「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/)

・・不安の時代の自活力を育む・・

 今回は最近出版されました吉川尚宏著「ガラパゴス化する日本」(講談社現代新書)から2020年にかけての日本の在り様について、いかに個人個人にとっての自活力が大切となるかを話題としたいと思います。

 前回、中村哲ペシャワール会現地代表、ペシャワール会医療サービス総院長)によるアフガン難民のための井戸掘り、砂漠に用水路を開通させて貯水池を作り緑化した貢献について述べました。

 その工事手法は、あくまでも現地の人たちとの共同作業として行い、決して、日本からハイテク道具を持ち込んで行なったのではありません。

 現地の人たちの発展の自活力下支えに適うような方法で地域を緑化したのです。

 現地の人たちが将来にわたって、自活力によって保守点検・修理による維持が出来ることをキーとしました。

 
 「ガラパゴス化する日本」では現代での我が国が直面しているグローバル化する世界情勢の中にあって、国家、企業や日本社会、個人個人のガラパゴス化について取り上げています。

 ガラパゴスとは、南米エクアドル西方のガラパゴス諸島の島で、ダーウィンが進化論を考える基となった独自の進化をした動物・イグアナやゾウガメ等が生息している島です。

 独自の進化によって、外から入ってくる外来種等による攻撃には弱く、現在は世界遺産として絶滅しないように厳重に保護されています。

 ガラパゴス諸島での様相が最近の日本の様相と似ているために“ガラパゴス化”として、国、産業面や社会、日本人のライフスタイルの面などで検討と示唆に富んだ考察をしています。

 是非ともの一読をお勧めです。

 今回は、中村哲のアフガンでの仕事でも明かなように、タダ最先端であれば国際社会で喜ばれるのではない事実の紹介です。

 ハイテク機器でも、グローバルな活用が可能となるような考慮しなければ、日本国内のみの『ガラパゴス化』となりかねないのです。

 日本発の優れたハイテク商品やサビースが独自の進化をすすめ過ぎて、ガラパゴス化現象をおこして海外では通用しなくなっていることは少なくありません。

 例をあげれば次のようです。

 地上デジタルテレビ放送、携帯電話端末・PHS,デジタル放送、デビットカード、非接触ICカード・電子マネー、、おサイフケータイ、カーナビなどの近代世界のハイテク的情報通信関連機器やサービスが国際社会では通用しない現象に陥っているのです。

 国際社会で広く通用するようにするためには、国際的なルール作りや品質基準としてデファクトスタンダード(事実上の標準)が重要となっているのです。

 つまりは、そうした基準や標準から外れるとグローバルな商品やサービスとして通用しなくなってしまうのです。

 海外旅行や海外の人と携帯電話で話をしようとすれば、日頃用いている我が国のハイテク携帯電話では通用しないことを経験するように、上述したような情報通信関連機器やサービスが国際的な基準や標準からは外れて、『ガラパゴス化』の道を歩んでいるのです。

 伸展するデジタル革命といって良いグローバルな社会変化に国際基準から外れて、日本国内に引きこもることによるガラパゴス化の危険です。

 「龍馬伝」でのように、“攘夷、攘夷”と叫ぶような『ガラパゴス化』的な日本の国家、社会や日本人の鎖国体質が起こっているのです。

 中村哲のように自らの赤裸々な自己を露わにして、信天翁喫茶が大切にする直心・赤心の心で自利利他円満でノマドジー(絶えず外部や他者との関係を拡大しながら遊牧的な生き方を求める)な自活力あるコミニケーションが出来るようになることが個人個人が『ガラパゴス化』しないための必要条件となります。

 そのためには、日本文化をシッカリと身に付けて、外国人も含めて他の人たちに暗黙知的独善体質からは開放された会話が求められるのです。

 目線を同じにして誰を相手にしても、国内にだけ通用するようなヒラメ体質から脱却して反対意見もキチンと言う議論が出来るような自活力が下支えとなります。

 信天翁喫茶が求める形骸化したような会話からの開放です。