信天翁喫茶記

  信天翁喫茶的ワビ・サビの自活力ある生き方・・中村哲ペシャワール会現地代表、PMS(ペシャワール会医療サービス)総委員長)・・

  「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/)

・・不安の時代の自活力を育む・・

  中村哲は医師でクリスチャン、パキスタンの西北部・ペシャワールで貧民層の診療。

  1986年からアフガニスタン難民のために、自らが実践して井戸掘り、地下水路の復旧など水資源確保事業を進め、更に砂漠に貯水池をつくり用水路を開通させて「緑の大地計画」を継続、灌漑水利計画を自ら工事を実践しながら統括しているのです。

 現地の人たちと目線を同じにしながら、現地の人たちの自活力を高めるための水利事業による緑の大地のための生命線を確保しているのです。

 現地の人達が将来的に保守点検、修理が可能となるような工事を行なっているのです。

 つまり、近代的な工事によって、現地の人たちでは将来的に維持できないような灌漑水利事業ではないのです。

 まさに、奈良時代の灌漑・水利事業を進め、大仏建立を行なった僧・行基を彷彿とさせます。

 「不可能性の時代」の著者・大澤真幸がこの四月の創刊した月刊誌『大澤真幸THINKING「O]』(左右社)の特集「連帯のあたらしいかたち」〈ランダムな線〉での最初の対談者として中村哲を選んでいるのが素晴らしい。

 対談の後に大澤真幸による「〈子なるイエス・キリスト)のように」と題した小論文が環境問題や格差・貧困問題、更に、戦争・テロなどの問題解決をするための地球上の六十億人の集合体としての連帯の在り様を中村哲を介して考察しています。

 今まさに求められている貴重な月刊誌であり、多くの人たちに愛読してもらいたいとお勧めです。
  中村哲はクリスチャンでありながらイスラム国で現地の人たちと目線を同じにした・現地の人たちと日本人は作業を指導する人たちとしてではなく、基本的に対等な立場に立った現地主義を貫いています。

 しかし、中村哲は現地の人たちに対して自らを欺くような欺瞞的な言動をすることなく、己の人間的な限界を曝け出しながらの連帯をしながらの共同作業を行なっているのです。

 赤裸々な人間関係による信頼ある連帯による現地の人たちの自活力を育んでいるのです。

 中村哲は、信天翁喫茶が目指すワビ・サビの鎮め思考に適う自活力育成者だと敬服です。