信天翁喫茶記

 信天翁喫茶的ワビ・サビの自活力ある生き方・・「龍馬伝」を観て

  「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(http://www.sophyrich.com/)

・・不安の時代の自活力を学ぶ・・

 昨日(2010年、4月11日)のNHK大河ドラマ龍馬伝」での龍馬と人切りイゾウと幕末に恐れられた岡田以蔵とのやりとり・問答は坂本龍馬の鎮めの志向・ワビ・サビ文化に適う平和な人権思想にあふれた生き方を説いていたと思います。

 龍馬は「人それぞれの道がある 皆同じではない」、「意見が異なるのは当たり前のこと」、だからと言って「人の道に外れたことはいけない」、「ケンカはするな 誠に強い男は滅多なことで刀を抜かない」といっていました。

 幕末の攘夷、攘夷の動乱期での争わずに平和を求める龍馬の志向・思考を語っています。

 攘夷、攘夷に対して、意見を異にする人たちを武市半平太に気に入られようと問答無用のテロ的人切りを繰り返す以蔵との会話です。

 岡田以蔵は意見は異にしても「久方ぶりに楽しくて気が楽になった」と喜んだのです。

 龍馬は、まさに、鎮めの思考・志向による削ぎ落としをして、無駄な争いで命を落とすことのない平和な生き方を求めて苦悩しているのです。

 何が大切かを忘れた、集団に所属することによる自活力を失った生き方ではないのです。

 現代でも、組織、集団にあって、岡田以蔵のように振舞う人たちは少なくありません。

 集団にはまり込んで埋没していることが安心と、志向・思考停止をしている危険です。

 今や、無理難題や人の道に外れることをしても滅私奉公すれば一生の面倒をみてくれる時代ではありません。

 グローバル化する社会にあって生活環境や職場は常に変化が求められています。

 そうした社会環境にあっての自分流の生き方が必要で、自活力なくては変転に耐えられず、組織内や集団の不合理に埋没するか、はじき出されることになり、人切りイゾウか、それ以上の人の道に外れかねません。

 人の威を借りて遊興に浸りながら偉くなったとの勘違いは止めて、常に表に表れた現象に捉われ惑わされることなく、削ぎ落とした背景にある普遍性を観るようにする日常茶飯が求められ、信天翁喫茶はアホウドリの如く緩慢ではあっても、心の絆・連帯ある自利利他円満の平和を模索しながらの自活力を育むのです。

 まさに、龍馬の模索です。

 現代にあっても珍しくない岡田以蔵のような生き方は安らぎとは無縁の不安で、いつ何時葬られるか判らない人の道に外れた「自活力」でしかありません。