信天翁喫茶記

 今、なぜ「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、http://www.sophyrich.com/)か!!
  ・・不安の時代の生き方を学ぶ・・


  喫茶・茶の湯文化はミニチュア(小型・縮図模型)生活文化

 日本の国は、昔からミニチュア化して日常生活に取り込んで楽しむ文化が発展しました。

 その伝統が、現代では、車の小型化、飛行機やロケットの小型化のみならず、ITではパソコンよりも携帯型を好んで創意工夫をして発展させています。

 伝統文化としては、今日では、ママゴト遊び的ミニチュアの生活道具や人形を繊細な美術品レベルまで高めています。

 箱庭、盆栽で自然を身近に取り込み、野に咲く植物を華道として自然の四季を生活に取り込んだミニチュア化文化と言えます。

 建築や庭では、例えば、桂離宮のように船を浮かべて自然を取り込んだ景色を楽しめるような作庭を行なっています。
 一方で、枯山水の作庭では、石と植物の最小限によって、自然を取り込んで表現しています。

 万葉以来和歌として、自然の移ろいの美のみならず人間の愛や悲哀の心の移ろいを五・七・五・七・七として詠い、俳句の五・七・七の最小限の言葉縮小して謳いあげています。


 喫茶・茶の湯文化も、そうしたミニチュア化と最小限化の生活様式を模索した文化となっています。

 取り分け、ワビ・サビの喫茶文化は、生活総合文化のミニチュア文化として発展なのです。 

 市中生活環境にあって、やつした極小空間の質素な草庵の茶室と露地空間は、本来、日常茶飯の生活環境にあっての粗末な必要不可欠の追求志向となっています。

 そして、茶の湯の点前は、今日では、堅苦しい形式ばった、煩わしい形式と思われますが、最小限の所作・振る舞いによる人をもてなす文化なのです。

 そのもてなしの文化・茶の湯は、陰陽カネワリの文化を基本としています。

 陰陽カネワリは、点前にあっては美的用の道具の配置と体に優しい理に適った所作・立ち居振る舞いとなっているのです。

 以上より、既に取り上げてきましたように、縮小、最小限、必要不可欠を求める文化なのです。

 日本文化が基本的に求めている文化となっているのです。

 それ故に、西欧的なプラス思考文化たる「煽り」の文化に対して、マイナス思考文化としての「鎮め」の文化だと判ります。

 生き方としては、不安の時代にあっての必要にして不可欠の「自活力」を求める文化なのです。