信天翁喫茶記
「鎮めの文化」は「自活力育成文化」・2
「不安の時代の生活文化」・・8・・「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、http://www.sophyrich.com/)
私の近著「信天翁喫茶記 入門 益荒男が茶の道」の199ページに、日本の喫茶・茶の湯文化の文明的発展史の人間的な源流をまとめています。
高位下賤・貧富を越えた平和を求める人権思想が原点となっているのです。
『喫茶文化が本質的に世俗の権力や武力とは無縁な自由な平和、相手のいかんを問わず一切を平等に救う慈悲心、自由な一味同心の理想郷志向にあるのは、日本の中世の「無縁、ムエン」、「公界、クカイ}、「楽、ラク}の自由なノマドロジー的遍歴者であった非農業民の職人や芸能者の平和集団による活躍があったからです。
皮聖と呼ばれ鹿の角の杖を手に鹿革の衣を着けた南無阿弥陀仏を念ずる公称念仏の布教を行なう異形姿の市聖・空也による施茶、施粥。
非人の供養施行を盛んに行なった西大寺律僧の叡尊による施茶、儲茶。
芸能者で申楽・能の世阿弥、河原者職人の枯山水石組の作庭家・善阿称。
その他の非農民は手工業者、医師、陰陽師、連歌師、歌人、禅律僧、茶人などの職人です。』
私が尊敬する真面目な歴史学者・網野善彦著「無縁、公界、楽」(平凡社)と映画監督・「河原者ノススメ」(幻戯社)で素晴らしい紹介がされています。
次回に、わが著書の200ページの紹介とします。