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不安の時代の生活文化・・2 上梓「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹、http://www.sophyrich.com/)
前回、現代社会では人々が、グローバルな市場経済主義・金融資本主義に伴なうポランニー的不安な毎日となっていると紹介しました(山下範久、「現代帝国論」NHKブックス)。
こうした不安の時代に、フランスのジャック・アタリが「反グローバリズム 新しいユートピアとしての博愛」(近藤健彦、瀬藤澄彦共訳、彩流社)、「21世紀の世界」(林昌弘訳、作品社)を著して、21世紀が如何なる社会となるかと提言しています。
ジャック・アタリは、「日本語版への序」を寄せています。
「反グローバリズム」では、日本のモテナシ文化の文明性を指摘しています。
そして、「21世紀の世界」では、「日本はアジアとの交差点、アメリカとの交差点、オセアニア地域との交差点といったように、地理的に重要な拠点に位置しており、この三つの円が交わった部分をうまく組織できれば、つまり、この三つの円を解体するのではなく、三つの円をすべて融合させることが出来れば、日本は多大な潜在的成長力を持ちうるだろう。」とアドバイスしています。
21世紀は、超国家、超民主主義、超資本主義の時代となり、今までの既存の国家、民衆主義、資本主義は変質していく必然性を説いているのです。
そして、人々は、世界を動き回るノマド(遊牧民)社会となるとしています。
既に、アメリカやヨーロッパ世界は、ノマド社会となっていると言えます。
そうした時代に私たち一人一人はどのように生きるかの選択が迫られるのです。