信天翁喫茶記

  信天翁喫茶の話題・・俯瞰思考;岩崎弥太郎

 昨日(3月1日)のNHKテレビの大河ドラマ龍馬での岩崎弥太郎坂本龍馬の俯瞰思考が素晴らしかった。

 今回は岩崎弥太郎を取り上げたいと思います。
 弥太郎が商売で物を十倍ほどで売りさばいたことに詐欺扱いされて投獄された老人の言い分に既成概念的な理解から脱してオープンな思考、考察ができたのです。
 老人は物の価値が人によって同じではなく変わることが商売のベースだと語ったことに感じ入りました。
 弥太郎は、それまで学問のみが自分を高めることだと考えていたのだが、そこで目から鱗となったのです。

 物の価値が人それぞれによって変わるとの原則は、唯単に商売としてだけのみならず、今日の民主主義の原則となっています。
 民主主義の基本は、法の前に平等と機会の均等、言論の自由に加えて、価値観による選択の自由にあります。
 つまりは商売においての物の価値が人それぞれというのも、今日的に言えば、民主主義の原則に適うのだとなります。

 共産主義世界が基本的に崩壊したのは、この「価値観による選択の自由」を制限したためにあります。

 しかし、今日、リーマンショックに象徴される金融資本主義の欠点は、利益追求のために複雑な数学的処理によって、「価値観」がぼかされて、「判断」が「欲望」「利益」追求に変貌してしまったことにあえると思うのです。

 つまりは、人間的な文明に適う「価値観による選択の自由」が必要条件だと言えます。