信天翁喫茶記

  信天翁喫茶の話題・・シンガーソングライター・矢野顕子


 信天翁喫茶では喫茶の話題を大切にして、こころの豊かな日常茶飯の生活を求めます。


  この2月にCD「音楽堂」を出したジャズピアニストである矢野顕子朝日新聞の日曜版(2月13日、2010)に次のように言っているのです。

 「ねばならないをなくすると大切なものが見えてくる。それ以外は忘れましょう。」

  わたしが日頃こころがけている指摘です。

  マスメデイアやITによる情報過多になっている近年では、取り分け、その情報の質やその取捨選択がキーとなります。


  茶の湯は、よく「侘び寂び」の文化と言われます。

  そのこころは、必要不可欠を求めるにあると思うのですが、茶聖・武野紹鴎につうずる「麁相」のこころであり、赤瀬川原平的には「マイナス思考・負の思想」にあると思います。



  矢野顕子は、CDの「音楽堂」で若手注目のジャズピアニスト・上原ひろみの作詞・作曲「Green Tea Farm」を演奏しながら歌っていますが、上原ひろみのCD・「Place to Be」で上原ひろみがピアノを弾き、矢野顕子が歌っています。

  二人のノマドジー(nomadologie)(ジャック・アタリが「21世紀の世界」で主張するノマド)的卓越した芸術家が演ずるピアノを聴き比べることが出来るのが素晴らしい。

  ジャズは楽譜による部分とアドリブによる演奏部分があり、そこに決まりと自由の織り成しがあり、その創造性を豊かにすると思います。

  「ねばならないをなくすことによる大切なもの」を求めるこころが求められます。


  茶の湯にあっても「ねばならない」がナヘンに在るかが「侘び寂び」の茶の湯ではキーであると思うのです。