オタピー茶の湯;信天流健康で文化的な生活・3

 オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」・・87

 俯瞰思考; 価値性の幻想; ハイカルチャー、ポップ、キッチュサブカルチャーとの界を紛らかす・・45


 今日では、国の内外を越えた世界レベルにあって、人間関係の不信と閉塞感が漂う日常茶飯となっています。

 上面、表面的、軽薄、欺瞞、腹背や利益を優先したお愛想の会話が横行していると言えます。

 一人になっての孤独感、淋しいだけではなく、フランソワーヅ・サガンが18歳での著書「悲しみよこんにちは」で指摘したように、群れていても、グルったり、ツルんでいても孤独感は消えていないのです。

 そして、国家、民族、宗教がその役割不全状態にあるのみならず、混沌の原因ともなっています。

 まづは、人の世が生み出し、人の縛りに通ずる金力、権力、愛、職業の貴賎への幻想からの開放が求められていると思います。

 しかし、現代はアイデンティティ(自我同一性)の確立を先送りして大人になることを嫌うモラトリアム人間、或いは、レッビシュで大人に成れない人間が増えていると言えます。

  精神科医・小此木圭吾が著書「モラトリアム人間の時代」で精神分析家・エリクソンによるモラトリアム人間を紹介したのは1978年ですが、今日では、未成年、ネオテニーと言われる現代アートの代表者・奈良美智が描く女の子には、当に、モラトリアム人間を感じさせます。

 精神科医斉藤環の近著書「アーティストは境界線上で踊る」で紹介している精神的には境界線上と言ってよい人たちは、単に芸術家による芸術表現としてのみならず一般社会的にも広まっているようです。

 国際的に言っても、世を上げて、内閣総理大臣などにおよぶ一国の指導者に至るまで、レッビシュ、モラトリアム人間は増えていると思います。


 次のような時代背景が課題となっていると考えます。

 ・ IT技術の普及によって、現実とバーチャルの区別に混沌、混合がある。

 ・ 経済のグローバル化サブプライム問題で明らかなようにデリバテイブ商品のように専門家の当事者も判らないほどのバーチャル経済が無責任状態で横行している。

 ・ 政官財の世界のみならず、聖職者や宗教、アカデミズムやマスコミの世界などにあっても、何だお前もかと思える人間性を暴露して、“聖人”に抱いていた信頼は欺かれ、発する情報の信頼性が揺らいだ。

   つまりは、あらゆる領域での人間としての価値性や近ごろ流行の品格性に気品と尊厳なき『下流化』が起こっている。

   そして、人としての信や真面目さを忘れたような刹那的「快を求め、苦痛は不幸」と好きなことは楽しめるが、都合の悪いことは他者である親、上司や世間などを責める安易な“自分は悪くない症候群”が蔓延している。

 ・ 医療、食品や会社などの情報が公表されるようになって、情報の意味、事実に対して客観的な評価よりも、情緒的、時にヒステリックと言えるような反応となってしまい、肝心の問題がボケる。

   我が国では、伝統的な“知らしむべからず、寄らしむべからず”が強く残っており、今だ、情緒的な言葉や装いで偽善を装い易い体質にある。

   近年の情報公開によって、最近は問題が増えているように思われがちだが、情報公開が少しずつすすんで、ムシロ減少傾向にあると理解すべきで、冷静な判断体質が求められる。

 ・ 高エネルギー兵器による大量破壊や問答無用のテロの危険と命の軽さ。

 ・ 地球環境破壊による生活環境、自然の破壊がご都合主義と無責任状態で進行。

 ・ 国家、民族、宗教にあってのエゴが、他者と生きていくことの人間味を忘れさせた。

 ・ 物理的暴力、権力、権威や習俗による暴力のみならず、神的、神話的暴力の危険。 

 
 更に、パトリオットパトリオティズム)的我が国では、ナショナリズム的国家権力によって、次のような問題がある。

 ・ 我が国の殆んどの人たちで、日本と言う国名、天皇制の始まりの歴史的事実による認識がない。

 ・ 靖国神社の始まりとその歴史的な経過と意味を知らない。

   例えば、西郷さん、乃木大将や東郷元帥は祭られていない。

   A級戦犯でも、全ての人が納まっているのではなく戦死ではない軍人、軍人以外の松岡洋介など特別の人たちが選ばれている。

 ・ 我が国の太平洋戦争での敗戦責任をハッキリさせていない。

 ・ いわゆる憲法九条が内包する人類文明的価値が、自由、平等、言論の自由に基づく「価値観による選択の自由」の人権に加える貢献に値するとの理解が乏しい。

 ・ 人を殺す術や死ぬ術を説く武士道はもてはやされがちだが、平和な人間関係を求める茶の湯は忘れられがち。

  加えて、茶道文化では、主客直心と得心の会話に基づく人間関係を重んじ、正直で慎み深い麁相のこころの重要さを忘れてしまったようだ。 
  
 
 我が国の事実に基づく歴史と世界大戦での敗戦事実と責任をハッキリした言葉で明確とした教育をキチンと行うことが出来ない危険が内包しており、曖昧にして不明朗、不毛な政官財やマスコミでの言動が社会的不信状態を助長して、パトリオット的心情を忘れさせていると言えます。

 孤独感に社会から無視されていると閉塞状態に耐えかねている多くの人たちは、社会や人々との信頼の絆を求めているに相違ありません。

 茶の湯は、茶室での密談が可能となるほどの深い人間の絆を育みます。

 今こそ、信天流喫茶がキーとする、麁相のこころとお互いの人間関係が直心と得心を必要条件とする人間らしい絆が求められていると思うのです。


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