オタピー茶の湯; 日常茶飯の「こころ」・・82

 俯瞰思考; 価値性の幻想; ハイカルチャー、ポップ、キッチュサブカルチャーとの世界を紛らかす・・40

  レトロモダン(Retro Modern)及びネオテニーイズム(Neotenyism)の光と陰; 日本の混沌・・3


 平野啓一郎作『決壊』に登場する家族を含む集団や個人の人間関係にあって、「愛」が肉親関係のみならず、必ずしもお互いの「信頼や絆」の醸成となっていないことを示しています。

 家族、学校、子供を含む社会での親子、友達、男女関係の一人一人にあって、満たされない表面的、上面な人間関係にあることを示しています。

 つまりは、茶の湯的に言えば、「直心」の会話、コミュニケーションが成り立ってはいないことを示しています。

 一方のウエブ社会の登場によって、バーチャルと言って良いようなコミュニケーションでは、逆に、偽名を使いながら「直心」の会話が成り立っているのです。

 ウエブ社会を介して知り合った人間関係は、時に、直接会うことになれば、日常茶飯の社会を構成している人たちよりも、強い「信頼や絆」がきずかれているようでもあります。

 

 夏目漱石は、既に、戦前の学習院で「私の個人主義」と題した公演(「私の個人主義講談社学術文庫、「漱石文明論集」岩波文庫)を行っていますが、「金力」、「権力」が人間を支配する方法としての問題だと指摘しています。

 そして、個人主義に伴なう人間的な淋しさに言及しています。

 また、同時期の漱石の名作「それから」、「こころ」では、人間関係にあって、「愛」より「信頼や絆」の重要さを指摘していると思うのです。

 男女や友人関係にあっては、「信頼、絆」が、「愛、愛情」よりも重要であることを示唆しています。


 最近、姜尚中が、「知るを楽しむ:私のこだわり人物伝 夏目漱石 悩む力」(NHK教育テレビのテキスト)や「悩む力」(集英社新書)で、「金力」、「権力」、「愛」の人間関係での課題を取り上げています。

 そもそも、平野啓一郎が「高瀬舟」で、愛情がセックスの動機ではなく別の感情であり、男女のまっとうな人間同士の関わりの中にセックスを友人同士の日常的なコミュニケーションと位置づけているのです。

 「あなたは私のものよ」を越えた友人同士のコミュニケーションとしてのセックスです。

 男女間のみならずホモやレスピアンの人間関係も含めて、目線を等しくした同等の関係構築に重要であると言えます。

 
 上述の三人の日本の知性による指摘は、パレスチナ人の知性で、知識人が現代に問題点を指摘する重要さを指摘するエドワード・サイードは、「信頼、絆、つながり、肌触りの人間関係」がキーだとの提言と共通する認識にあると思います。

 つまりは、「愛」は、「金力」、「権力」ともども、「人を縛り、閉鎖的な人間関係を求める」人類の三大神話的暴力であり、その価値観の幻想からの開放が必要だと思います。


 私は、レトロモダン、ネオテニーイズム的に言えば、侘び・寂びの茶の湯には「愛」、「金力」、「権力」を超えた人間関係の基本としての「信頼、絆、つながり、肌触りの人間関係」への求めがあると思っているのです。


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