健康寿命&平和寿命は二足歩行&肉食・雑食がキー・・7・・共食共生のEcological Choice

 縄文時代の共食共生のエコロジーに適う選択(Ecological Choice)・・2・・縄文社会は妻問婚(ツマドイコン)の母系制社会

弥生時代は男性社会化が起こって、テリトリー意識とタテ社会、殺戮・自然破壊による混乱は、今日では宇宙環境破壊の危機を引き起こしています
 その後の日本列島でも縄文社会的伝統は時に生きているのです。
 ・弥生時代になると男性社会化による抗争騒乱となり、卑弥呼が混乱を収めるために登場した。
 ・ワンピース(尾田栄一郎作)の麦わら一味はひとり一人が役割は分担しているが、タテ社会的階級、階層的な差はない。
 ・アンパンマンやなせたかし作)はワンピースとともに立場による正義を否定して殺人、飢餓には善悪者を越えて身を削っても助ける。
 ・「リンゴが教えてくれたこと」の木村秋則によるように自分の力でリンゴが育つようにする自然農法。

 
 再び、現代は縄文文化文明が必要な時代を迎えています。
 一万年以上平和な社会が続いた縄文社会は、単なる採集、狩猟、漁労社会ではありませんでした。
 縄文時代は、すでに多文化社会で日本列島の自然環境によって四季の変化と複雑で多様な動植物食材を利用した食の世界があった。
 クリなどの栽培、あく抜きが難しいトチの実まで食し、牧畜、貝の養殖、稲作、鉄器文化も縄文時代に始まった。
 縄文人は竪穴住居を台地に築いて今日の囲炉裏にあたる炉を中央に築いて縄文土器で調理を行い、集落ごとに助け合いながら自給自足の生活をしていた。
 天文学に通ずる自然観察と四季、時間の概念を示す遺跡を残している。
 その間は、抗争、殺人の跡のない平和な集落の村社会が続いた。

 縄文社会は妻問婚の母系制社会ゆえの平和が続いたのだと思います。
 競争、格差、貧富、不和、離散などが起きないヨコ社会集落での生活だったのです。
 古事記の神話には母系の平和主義が伝わっているように思います。
 妻問は「婚い(よばい)」と言われていたようです。
 男女が歌で「呼びあう」から「夜這い」と称されるようになりました。
 万葉集に出てくる「歌垣」はツマドイであり、奈良時代まで続いたようです。
 平安・鎌倉の「婿取婚」、室町時代にはじまる「嫁取婚」と父系制社会のタテ社会へと変わっていきました。
 西欧的な父系社会の確立は明治、近代国家誕生によって一元化されていったのです。

 古事記による神話、伝承から見ると大国主神は男性神ですが、八十神の男性神に迫害されて焼け死んだところを女神に救われます。
 続いて古木の割れ目に挟まれて死にますが母神に救われます。
 また、スサノオノミコトが国を治めるにふさわしいかの評価するために試練を与えました。
 二回の試練にヒサノウノミコトの娘のスセリピネに助けられるのです。
 大国主神は、いずれの試練にあっても女神に救われますが、自らは相手を攻撃せず、攻撃してきた相手を殺してはいません
 私は、そこに縄文的な母系制社会を感じるのです。
 
 弥生時代を感じさせる女神・天照大御神問題解決に暴力や射殺など手荒い手段で大国主神による国を理不尽に奪います
 天照大御神が命じた国取りのための二人の神が平和な出雲の国に取り込まれてしまったために、最後に剣を背景にした支配を試みたのです。
 大国主命は最後には息子たちも納得したために平和の内に国を譲渡しました。
 私は、縄文的平和主義による大国主命への国の譲渡だと思っています。
 それ故に、私は出雲大社は日本列島誕生の神伊勢神宮天皇家の神が祭られているのだと考えています。
 つまりは、春日大社が藤原家の神が祭られているのと同様なのだと思います。
 明治以後の国家権力による国家感、神道によって統制、強制されて、縄文的日本列島以来育まれてきたマニミズム・アナイズムやアニミズム的八百万の価値観、多様性を愛する文化は西欧一神教的国家権力体制によって踏みにじられてきたと思います。
 今日の日本国国家は明治以後の西欧への追いつき追い越せのにわか作り・急ごしらえの国家権力の確立を急いでいますが、天武天皇時代のような多様性のある神話民話的古事記と国家による御都合的な正史としての日本書紀を共存させる肝要さは乏しくなっているように思います。

 現代、21世紀のわが国は再び、日本列島の本格的な歴史の始まりたる縄文社会を日本列島文化文明として直視する必要があるのです
 四季の自然環境で稲作一辺倒ではない多様な食材を女性たちがあれこれと助け合い、知恵と工夫をして小生活集団で生きてきたのです。
 日本人の職人的精神による自然に優しく自立自営の精神が育ったのです。

 縄文社会は、今日、まさに求められている持続可能な社会で母系制社会だったのです
 縄文社会の妻問婚は、同棲をともなわない一過性の関係
 女性が生んだ子供は男性には誰の子供かわからない、つまりは認知ができないのです。
 女性は自分が生んだ子の父親が誰であれ、自分の子供であり、自分の手許で分け隔てなく育てたのです
 つまりは、女性一系社会なのです。
 男性を当てにすることなく女性は助け合って食料の採集、狩猟や漁労によって捕獲を行ったのです。
 採集法や捕獲法を工夫し、小集落同士で平和的な共生共食に努めました。
 男性は妻問の後は熊やクジラなどの大動物を捕まえながら集落を渡り歩いたのです。
 母子の親子関係の絆は強く、男性にとっては子供はなく親子関係はなかったことになります。
 母親たちはすべての子供とその子供の安寧を願った母系制社会の血族集落を形成したのです。
 父系制社会は力のある男が多くの女性を抱えて支配し、たくさんの子供を産ませて血族の男子一系と称する(遺伝子的には必ずしも定かではないが)強国を築こうとします。
 必然的に権力をめぐって男同士の争い、戦いが始まります
 男性社会になると、女同士も自分の子供を巡って争いを引き起こした歴史は珍しくありません。
 自分の子供を産んだ母親が父親が誰であるかを越えて分け隔てなく育てることは子供たちの郷土・パトリとなります。
 昨今は姜尚中是枝裕和(NHK・スイッチインタビュウ)が指摘しますように家族は多様になる。
 家族は国家のコアとなる。
 家族が変わる時には国家の形態は変わる。
 それ故に、パトリオティズムではなく、作為的にナショナリズムを作らなければなりません。
 明治に始まる近代国家はその連続であり、今後の日本人とはをどのように作為し、どこに行くのでしょうか。
 ワンピースの麦わら一味のように超国家的な仲間集団化となりノマド化すると思います。
 つまり、ノマドがとどまりたくなるようなグローカル社会が幸せな地域となるのです。

 家族は帰るところではなくなっています
 多様であるものの繋がりが重要となっています
 民族共同体や家族の繋がりのように同質体質が必ずしも絆の最後ではなくなっています
 まさにワンピースの麦わら一味の仲間の繋がりは21世紀に適う共同体の形だと思います。 
 血の繋がりはなくとも、直心の会話が可能で,助けが必要な場合や時は、自らの意志で求めれば仲間として命をかけて助け合う関係です。
 「和せず長らう」縄文的ヨコ社会の関係であり、父権的家族、国家権力やタテ社会ではない国境、民族、宗教を越えた人間的な関係です。

 国家権力による作為的な国家、国境は、争い、抗争、殺人、戦争の歴史を繰り返しています。
 地球・宇宙崩壊前に、縄文社会の母系制社会の心、絆、繋がりを求めて平和で美しい自然を持続可能にする必要があります。
 愚かな国家権力・国境を排して、帰るところのある郷土・パトリ社会を築いて一人一人が健康寿命&平和寿命を求めて“まったくいい人生だ”と言えるような社会です。
 
   参考書
  1)上田篤著、「縄文人に学べ」新潮新書
  2)宮崎正勝著『知っておきたい「食」の日本史」角川文庫
  3)渡辺誠著「目からウロコの縄文文化ー日本文化の基層を探る」ブックショップ マイタウン

  信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどのネットで販売中。 Kindle電子書籍としても販売しています)

 私が著した本信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」に続いて、私の近著で「ワンピース」のシーンやキャラクターがしばしば出 てくる「Dr.ビュート流健康寿命&平和寿命を延ばすガイド本」が、Dr.BEAUT・ソフィーリッチやアマゾンのネット書籍販売とKindle電子版として出版、発売しています。

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 健康寿命&平和寿命を理解、実践するための、百科事典として実践法としても末永く座右の書、電子版本とあります。