心のイケメンある自活力・・迫る単身社会・無縁社会と自活力・・ゆるやかにつながる心の絆・連帯がキー・・11

   ・・不安の時代の自活力を育む・・

   「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」(山中直樹著、アマゾン、Dr.BEAUT・ソフィーリッチなどでネット販売中)


 前回、我が国は先進国で国際比較した場合、社会的孤立者は著しく高いレベルにあり、社会支出は対GDP比で比較するとアメリカに次ぐ低いレベルにあります。

 つまり、憲法にある「健康で文化的な生活をする権利」を保障するための公的なセーフティーネットは低いレベルにあると言えます。

 また、我が国では、女性の賃金は、正規雇用者であれ、非正規雇用者であれ、若年層以外では、2008年度でも、女性は男性の六割ぐらいの低水準にあります。

 それ故に、単身女性の年金月額も低いのです(藤原克彦著「単身急増社会の衝撃」)。

 我が国では、「同一労働・同一賃金」から言っても、正規雇用者、非正規雇用者間のみならず、男女間の格差が著しく、文明国というには恥ずかしいレベルにあります。

 「健康で文化的な生活」保障には、公的セーフティーネットが不可欠と言えますが、公的年金、健康保険・介護保険などの「共助」と生活保護制度、職業訓練や住宅などの「公助」などの社会支出による社会保障制度があります。

 社会保障費のための「国民負担率」や「潜在的国民負担率」の国際比較で、我が国はどのようであるかを知る必要があります。

 「潜在的国民負担率」には、我が国が抱える巨大な財政赤字(対国民所得比)も含まれています。

 「国民負担率」が高いのは、スエーデンで、フランス、ドイツなどで、日本は米国に次いで低いレベルにあります。

 「潜在的国民負担率」で、50%を越える国はフランス、スエーデン、英国、ドイツで高いレベルにあり、我が国は、アメリカに次いで低いレベルにあり、47.7%です。

 今後の高齢化社会に対応する弱者対策としての社会保障制度を考えねばなりませんが、我が国は、巨額の財政赤字を含めても、マダマダ、ヨーロッパの国に比して低いレベルにあると判ります。

 しかし、今後の未婚単身者社会や高齢化社会の進展による単身・無縁社会の増加に伴なった財源をどうするかが課題で、消費税を含む税、社会保険料などの国民負担についての選択が迫られています。


 「健康で文化的な生活」保障のために、生活弱者のための社会保障制度の充実が必要不可欠なるも、自活可能性のある人たちには、安易なモラルハザードが蔓延するような制度ではなく、自活力を高めるような自助的努力を求めるような制度としなければなりません。

 我が国社会で根深い男女間の雇用や賃金格差、社会、日常生活や子育てなどの役割分担での格差を男女平等の立場から是正が文明国として必要です。

 そして、真に必要な生活弱者には「健康で文化的な生活」を保障する文明的手厚さが求められのです。


 喫茶文化は、本質的に世俗の権力や武力とは無縁な自由と平和、相手のいかんを問わず一切を平等に救う慈悲心、自由な一味同心の理想郷思考にあります。

 平安時代に始まる口称念仏の市聖・空也上人や非人の供養を盛んに行なった西大寺律僧・叡尊らによって施茶・儲茶・儲粥などによる生活弱者救済を行ないました(「信天翁喫茶 入門 益荒男が茶の道」山中直樹著)。

 今日のレトロモダンな喫茶・茶の湯が寄与して果たすべき生活弱者救済について考えなければなりません。