頤医のハッピーかい!・・12

 ハッピーのためには、不都合なことにも真っ直ぐ向き合う!!

 我が日本列島は、GDPベースで現在は世界第三位の経済大国を誇る。
 しかしながら、多くの国民が個人的にも社会的にもハッピーだと思う人は多くない状況にある。
 自分の内面的な心の満足度が満たされていない人が多いからだ。
 内面的な満足度は、“本当だったら!”とか、自分の希望したり思ったりしたことの「直心」を言ったり行ったりしないために不本意なことが多いのが現実だ。
 俗に,“世間”を気にしながら左右を見渡して、“みんなが言うから”と“いい子になる”道を選んでしまう体質がある。
 つまりは、「ズルズル体質」があって良く判らない力、権力に流されていることが多い!
 気が付いた時には、どうにもならない袋小路に追い込まれている!



 最近の安保法案問題や東京オリンピックのメイン会場建設問題は真正面から向き合うことなく表面的な儀式的対応に「ズルズル体質」が相変わらずだ!
 最も、問題点に正面から向き合わない課題に戦後70年を迎えた敗戦に対する姿勢だ。



 本年は、無条件降伏によるポツダム宣言を受託してアジア太平洋戦争敗戦後の70年。
 終戦記念を迎えた日は、昭和天皇が「玉音放送」によって終戦の詔がラジオで流された8月15日としている。
 最近、古市憲寿著「誰も戦争を教えられない」として「誰も戦争を教えてくれなかった」から改題、加筆、再構成されて文庫版としてリニューアルされた本にあるように終戦日を何時にするかは「立場によっていろいろ問題」がある。
  決定権を有した天皇ポツダム宣言の受託を決断されて御前会議が行われたのは、8月9日。
 ポツダム宣言の受託を正式に確定したのは、8月14日。
 ミズーリ―号上で終戦協定が締結されて「終戦を迎えた日」は9月2日。
 8月15日を終戦記念日としているのは、「玉音放送」によって広く国民に知らされた日としていると言える。


  毎年、8月15日が近づくと戦争の悲劇がマスコミに取り上げられる。
 戦争が如何に悲惨であるかと実体験を語られる。
 しかし、何故に多くの人たちを不幸のどん底に会わせた戦争になったかをハッキリさせようと真正面から取り上げられるものはほとんどないと言ってよい。
 東大の加藤陽子教授が指摘されるような問題意識を持った番組が放映されて、広く戦争に突入したかをはっきりさせなければ、また、「立場による正義」を唱えた戦争に陥る危険性がある。
 我が国の時の権力は、現在の憲法が世界の文明国に先んじて宣言した「紛争の解決に武力、戦力を用いない」を「ズルズル」と放棄しようとしている。

 頤医は、アジア太平洋戦争の開戦に至ったのは、今日尚続くわが国の「ズルズル体質」にあると考えている。
 「ズルズル体質」は、現在、国会で審議中の安保関連法案と東京オリンピックのメイン競技場建設問題に認められる不明朗な対応に表れている。

 安保関連法案では、自民党公明党が推薦した憲法学者すら「違憲法」だと言わなければ憲法学者としての立場が崩壊するほどに明らかだと言うことだ。
 国会議員定数で裁判所が憲法違反あるいは違憲状態との判決が出ていてもなかなか改めようとしない体質がある。
 わが国の憲法は、アメリカだと思いたくなるほどに三権の独立性に無関心だ。
 この姿勢、体質はアジア太平洋戦争に突入する前より「ズルズル体質」だ!
 近い将来に“正義の立場に立った”憲法で禁止している“武力を用いた紛争の解決”が実践される可能性は極めて高い状況にあると言える。

 次に、敗戦博物館の作り方に、同じ敗戦国のドイツと明らかな違いがあり、わが国の不明朗な「ズルズル体質」が明らかだ。 
 ドイツは、ユダヤ人虐殺(ホロコースト記念碑)や国立博物館ブランデンブルグ門の近くに建設されている。
 ドイツの首相府、ドイツ連邦議会議事堂、連邦参議院などの近い位置に建設されている。
 一方のわが国は、公式の戦争博物館は未だない国だ。
 国立の戦争博物館どころか国立歴史博物館は、国立歴史民俗博物館として東京からは程遠い千葉県にある。
 アメリカでは、国立のスミソニアン博物館がワシントンにあり、大英博物館はロンドンにある。
 中国も北京にある。

 日本では、国立の敗戦博物館どころか、国立の歴史博物館すら首都・東京に作って歴史の事実を広く国の内外に明らかにしようとの姿勢に欠ける。
 日本の歴史や敗戦の事実をハッキリさせたくないのかと言いたくなる。
 未来志向のための積極的平和主義は、過去の目をつぶることなくハッキリと認識することが大切だ。
 厳しければ厳しいほど、謝ってしまった事実にも真正面から向き合ってこそ、未来に対する志向、行動が明らかになる。


 未来に向かって「ハッピーかい!」と一人ひとりが言えるような生き方が出来るためには、近未来に向かって早いテンポ変転している事実を知る必要がある。
 ビッグデーターによる解析、ディープラーニングと言われる人口知能の発展、遺伝子・再生技術が人間社会を地球レベル、宇宙レベルで変えようとしている現実がある。
 過っての戦争で、戦艦大和や武蔵のような巨艦が主戦力となるのは終わってしまっているにもかかわらず、物資の不足している国内の状況も顧みることなく作ったりした過ちは繰り返してはならない。
 「スターウォーズ」のような宇宙戦争が行われ、ドローンのようなレベルで戦争が行われようとしている時代に中途半端な武装や戦争を始めるのは愚かで専守防衛などは不可能だ。
 「丸腰」で「外交力」を発展させた方が文明と言える時代だ。
 「ハッピーかい!」と地球上のすべての一人ひとりに問えるように!



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