頤医の一言・・6

「正義」とは;ONEPIECE・ワンピースから学ぶ・・1
      「スーパー正義」


 ONEPIECE・ワンピース(尾田栄一郎著)では、海軍がいろいろな「正義」があることを教えてくれる。
 「スーパー正義」、「立場によって変わらない正義」、「君臨する正義」、「どっちつかずの正義」などなどと、生々しく、国際社会も含めて現実社会で良く怒っているような問題を指摘しているからいろいろ考えさせらえれて面白い。

 海軍大将の時代の青キジ(現在はフリーな立場)が言った「正義」の使い分けは、「So cool!」で実に自分の行動を冷静・クールに判断しながらの「正義」の価値観によって行動するところが面白い。
 
 青キジが海軍大将としての職務に就きながら「クール」に言い放った「正義」では、「スーパー正義」、「立場によって変わる正義」がある。
 「海軍大将」としての実践の立場にありながら、個人としての価値観による選択の自由を失っていないところがすばらしい
 良くある、集団の中にあって、「しょうがなかった!」と言って自分の言い訳による正当化を行っていないのだ
 あくまでも、自分を組織に埋没させていないところがすばらしい!
 今回は、青キジの「スーパー正義」を取り上げる。

 「スーパー正義」は、海軍大将の青キジが、幼少期にロビンちゃんが住んでいた小さな島・オハラを海軍の「バスターコール」と言う島自体を消滅させるほどですべての生き物を殺戮する作戦を行った。
 世界政府に取って隠滅したい都合の悪い歴史の空白100年を明らかにする可能性がある学者集団と資料や書籍を根絶しようとしたのだ。
 その作戦の大将が青キジだった。
 ロビンちゃんの母は、権力に抵抗する戦士なので不在がほとんどで、一人だった。
 ロビンちゃんはほとんどの島民達から忌み嫌われ差別されて村八分状態で孤独だったが、歴史学者集団だけが好意的だったので歴史の勉強さえしておれば幸せだった。
 10歳にもならないような少女だったが、歴史専門家としての試験に合格するほどのレベルだ。
 さらに、歴史の空白は世界に散らばるポーネグリフの遺跡を見つけて、そこに書かれている文字を解読する能力も身に付けていた。
 ロビンちゃんは、海軍の壊滅作戦・バスターコールに、母親に“逃げて生き延びよ!”と言われ、自分が助けた巨人のサウロに助けられて海岸まで逃げて来た時に、青キジが現れた。
 青キジは、すべてのものを凍らせる力があるから巨人・サウロを凍結して動けなくした。
 サウロは、最後の力を振り絞って、“海に出て何としても生き延びよ”と一緒に死のうとしたロビンちゃんを突き放したのだ。
 サウロは、ロビンちゃんに〝世界中でただ一人と言うことはない、広い海に出れば仲間と出会うことが出来る”と言い、“悲しい時、淋しい時には「デレ シシシーと叫んで笑え!」”とさとした。
 そこへ、青キジが現れて海を凍らせたが、一筋の小舟が通れる海の道を残した
 「スーパー正義!」と言いながら海を凍らせて、ロビンちゃんの逃げる道を小舟と共に残したのだ。
 その後のロビンちゃんは、家畜以下のひどい仕打ちを受け、人にはあざむかれながらも歴史の空白・100年を解明しようとの一念で生き延びたのだ。
 ロビンちゃん自身も、悪党と組んだりしてあらゆる悪事に手を染めながらも生き延びた。
 そして、オハラで生き残った唯一の人間として、ポーネグリフの文字を解読できる人間としてその解読によって空白の歴史を明らかにしようとの一念で生き続けながら一人じゃないと心に受け入れてくれる仲間と会えるを求めた。


 海軍から見れば、唯一の空白100年の歴史の文字を解読出来て、世界政府にとって都合の悪い歴史的事実と巨大兵器を作る方法を解読できるロビンちゃんに巨大な懸賞金をかけて追かけるが逃げ延びて、ルフィたち麦わら一味の仲間となり、サウロの「広い海に出ればこの世で一人と言うことはない!」と言った「仲間」ととうとう巡り合った。
 〝過去に何をしたかは一切問わず、善悪を越えて”生きたいと言えば命をかけて助け合う〝麦わら一味”に加わった。
 麦わら一味は、一人もお互いに血縁者はいないが、お互いが自立した集団だ。
 過去の前歴が巨悪と欺きをしながらも生き延びたと知りながら仲間に加えるルフィたちの本当の人物を見分ける勘所がすばらしい
 ロビンちゃんが、権力や巨大兵器ポセイドンを悪用のためではなく、歴史の真実を知りたいだけのために、既成の表面的な“正義”にとらわれないと見抜いたのだ。
 ロビンちゃんは、度重なる攻撃に、いつも、“ただ、歴史の真実を知りたいだけなのに!”とつぶやく。
 「スーパ―正義」と言って、歴史探求のために生き延びようとして、その後の海軍の必死の追跡をかわすロビンちゃんの逃げる道を作った大将の青キジが素晴らしい!
 ただ、組織でおめでたい評価をしてもらうために、自己判断力を放棄して、正義を唱えている国家権力や社会正義を唱えながら権力に従っているだけでしかないのではなく、個人の価値観による判断や責任を放棄した正義を実践していると思う人達より賞賛すべきだ
 この世の「正義」についてキチンと考えることが大切な時代だ。
 、「すべての人はロビンちゃんのように生きる意味がある」のだが、大前提だ!
 青キジが、「スーパー正義」を実践したのは、大切なの「歴史は真実が大切であり、権力によって恣意的に作り上げるものではない」のだ。
 わが国が、未だにアジア太平洋戦争での歴史の真実とは向き合っていない。
 過去は真実の事実があり、未来は不明だ。
 「スーパー正義」で過去の歴史の真実と向き合ってこそ尊厳ある未来がある!


 今回は、善悪を越えた「正義」、「スーパー正義」について考えてみた。
 “自らをあざむくような社会正義”を唱えたり、中途半端な“正義”をとなえる人が多いのに、20歳から「ONEPIECE・ワンピース」を書き始めた始めた著者の尾田栄一郎の感性は天才だ!

 


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