頤医の健康アドバイス・・3
高齢者は減塩しても心血管疾患の危険性は低下せず!?
日本人の一日塩分摂取量は平均で、男性11.3グラム、女性9.6グラムとなっているが実際はもっと摂取していると考えられる。
便利なレディイメイド食品やインスタント食品では食塩を多量に使用して味を調えている商品が氾濫しており、日常的に沢山のそうした商品を用いている人がほとんどだ。
つまり、知らないうちに想定以上に多量の塩分を摂取していることになる。
しかし、減塩目標の推奨は以下の如くだ。
日本人の食事摂取基準(厚労省2015年)では、一日の塩分摂取量は以下の如くとなっている。
18歳以上男性 8.0グラム未満
女性 7.0グラム未満
日本高血圧学会は、一日6グラム未満を推奨しています。
また、WHO(世界保健機関)は、一日5グラム以下の減塩目標なのだ。
最近、国際誌(JAMA Intern. Med)によると、アメリカで行われた前向きコホート研究によると70〜79歳の日常生活に支障のない人を対象にして塩分摂取量と心血管疾患死との関係を検討するため、10年間の追跡調査を行った。
その結果は以下の如くだった。
一日塩分摂取量
>5.842, 3.841〜5.842、<3.841の三グループに分けての結果が報告された。
その結果、三グループ間で心血管疾患の予防を減塩によって明らかな成果は得られなかった。
つまり、減塩による心血管疾患は予防されなかったことになる。
結論として「高齢者では成人に対する推奨値以上の厳しい減塩レベル制限(<3.841)でも10年後の死亡や心血管疾患による死亡を低下させない可能性を示唆した」ことになる。
今回の論文では、自己記入による塩分摂取量を検討した結果であるための限界があるので、さらに厳格な試験を行う必要がある。
前述したように、近年は添加物を加えた食品やインスタント食品が氾濫している。
こうした食品や食材には塩分が多量に添加されている商品が多い。
それ故に、余程注意した疫学試験を行わなければ、その結果はあまり信用できない。
頤医は、近い将来に「添加物症候群」が問題になると予言しているが、その時になるまでは添加物成分や添加物の量まで注意した試験は行われないだろう。
それまでは、減塩の効果を正しく判定することが困難であり、注意深い試験を行わなければ一日塩分摂取量は決められないと言える。
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