頤醫のグローカルカルチャー志向・・11

    「90億人の食」(NATIONAL GEOGRAPHIC 90億人の食 地球と食材の未来)から・・10・・・「食べ物を無駄にしなければ地球は救える?・・食卓へ届く前に、食品の3分の1が廃棄されている!」・・・「日本の食品ロスの特殊事情」


 国連食糧農業機関(FAO)の推定によると、全世界で人間が食べる目的で生産された食べ物のうち、農場から加工工場、市場、小売業者、飲食店、家庭の台所へと流通していく間に、3分の1が毎年捨てられていると言う。重量にして約13トン。これだけあれば30億人を十分に養うことが出来る」とあります。
 米国では典型的な4人家族が、1年間に食べずに捨てられる食品は合計500キロを超える。熱量に換算すると120万kcalに相当する」。
 「家族をもう一人養えるほどだ。」とあります。


 「わが国は、食品リサイクル法の対象外である家庭系食品排泄物は、2011年度では、1046万トンあるが、リサイクル率はわずか6%」です。
 「事業系と家庭系を合わせた日本の食品ロスは、年間500万ー800万トン発生していると推定されており、これは国産米の年間生産量にも匹敵する。」
 「食品ロス」とは食品廃棄物のうちの可食部(食べられる部分)を意味します。
 つまり、まだ食べられる食材・食品を捨ていている量は国産米の年間生産量に匹敵するのです。


 わが国では、他国にはないような特殊な事情で「食品ロス」が発生しています
 次のような理由は、わが国特有の消費者の表面的なこだわりが原因となって「消費者には見えない食品ロス」が起こっているのです。
 そのために、家庭での無駄な浪費も少なくないのです。
 「中国人は味で食べ、日本人は目で食べ、韓国人は腹で食べる」との表現がされるとあります。
 日本人の「見た目を重視している」姿勢で、例えば農産物や魚類などで品質よりも、形、サイズを優先したり、食品添加物などの化合物で基準や表示法などが欧米と違っているために食材のみならず、食品添加物なども逆に品質の悪い商品を輸入していることがあるのです。
 品質重視より、見かけ重視の消費者のこだわりが「食品ロス」を多くしているとも言えるのです


 消費者の「見かけ重視」の姿勢が「消費者の見えない食品ロス」となって、「それに付随するコストは消費者に見えないかたちで価格転嫁され、最終的に食品ロスも生じている」のです。
 こうした消費者の「見かけ・表面重視」の姿勢がゆえに、わが国の食品が欧米に比して、関税が高いことに加えて消費者に価格転嫁がされて、高い食品を買っているのです


 「90億人の食」では、日本で事業系&家庭系を合わせた「食品ロス」が多い特殊事情を次のような4項目を上げています

 1)欠品防止に対する強い執着。
  「品ぞろえに対する消費者の要求が高すぎることが要因であり、その結果、多くのメーカーや卸売業者が過剰な在庫を持たざる負えない」。
  それが理由で、消費者の目には見えない「食品ロス」が生じて価格転嫁されて高いものを買わされてしまうのです。

 2)鮮度に対する極端な反応が特徴的。
  日本では、「3分の1ルール」といわれる商習慣があり、食品の製造日から賞味期限の3分の1の期間が過ぎると小売店に出荷できないルールです。
  「他国では少なくとも2分の1程度の猶予がある]とのことです。
  「相対的に日本人の鮮度志向が強い」と言えます。

  
  頤医は、そもそも、「賞味期限」なる意味不明瞭で曖昧なことにこだわることが問題だと思う。
  「消費期限」も同様だ。
  コンビニなどで売られる“おにぎり”などが室温で3日以上の「消費期限」のために多数の添加物や殺菌剤などを駆逐する理由となっている。

 3)外食での食べ残しを持ち帰る「ドギィーバック」が禁止されるのも、日本の特徴。
  欧米では食べ残しをドギィーバッグで持ち帰るのは店員がすすめることが多い。
  しかし、日本では、「衛生面での配慮を建前に阻まれ、こうした行動が一般化してない」。「食べ残しを持ち帰りたいと思っても、人の目を気にして言い出せない消費者も多い」そうだ。
  「当然、食べ残しは食品ロスとなる」。
  「消費者の責任で持ち帰るとの積極的な態度が必要だ」。
  外食産業者は、消費者の責任を転嫁されることを恐れているのだ。

 4)家庭での過剰な購入(在庫)と食べ残しによる食品ロス
  農水省の調べによれば、家庭で最も多いのは、野菜の皮を必要以上に厚くむくなど、調理時の過剰除去である」。
  つまりは、「目で食べる」といわれるように「見た目を重視し過ぎている」となるのです。


 対策として、まず、「ロス削減」を上げています。
 「わが国の食品ロスは、消費者の見えないところで発生したり、消費者が見て見ぬふりをしたりすることが基本的課題だ」としています。
 『日本では「臭いものには蓋」という文化的背景が災いしているかもしれない。もし日本の消費者がそうであるならば、食品ロスの解決には、まず現状をよく理解したうえで、皆で考え、行動するという段階的な施策が必要だろう』としています。


我が国のコンビニ、スーパー、デパ地下などの食品販売のみならず、給食、宅配食、中食からファーストフード店、ファミレスなど多くのレストランに及んでいるのが、中国、東南アジアなどで加工された商品を取り入れなければ成り立たない食品会社や店がほとんどの状況となっています。
 食品の原産国や加工・調理されて輸入された食品が、日本食が普及しています
 それでも日本食は安全だと思いこんで買って食べている人は多いのです
 例えば、エビを用いた食材・食品やおにぎりなどは特別に純日本産使用と記入表示されるほどです。
 原産国や加工品に対する「表示法」次第で「日本食」になるからだ
 こうした事実も「見かけの日本食」信仰だと言えそうです。
 自分だけは安全なものを食べよう、純日本食材だけが安全とは言えない状況になっています。
 地球環境資源の持続可能な90億人の食を一人ひとりが考える姿勢が必要な時代なのです!
 「地球レベルのモッタイナイ」精神で「食品ロス」を考えよう!



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