頤醫のグローカルカルチャー志向・・10

    「90億人の食」(NATIONAL GEOGRAPHIC 90億人の食 地球と食材の未来 シリーズ第七回)から・・10・・・「この先いつまで肉を食べられるのだろうか?」


 人類が肉食動物の食べ残したり死んだ動物を食べるようになって効率の良い栄養分を摂取する効率が良くなり二足歩行と脳の発達が良くなったと考えられている
 頤医も肉食が大好きだ。
 牛肉だけではなく豚肉、鶏肉、ジビエ肉、魚介類でも肉類なら何でも好きだ。
 我が国には、松阪牛シャトーブリアンのように肉の美術品と言えるようなステーキもある。 
 しかし、日常的な牛肉で言えば、ローストビーフが大好きだが日本的な肉じゃがやどて煮なども大好物だ。
 頤医がホアグラ牛と呼ぶ霜降り牛は好きではない。


肉食が指摘される課題は次のようだ
 ・動物を殺さなければならない
  しかし、人類は植物も含めて他の生物の命を奪うことなく生きることは出来ないのだ
 温室効果ガスの排出。
  米国の肉牛の飼育数をゼロにすると米国の温室効果ガス排出は約2%減るそうだ。
 ・飼育で狭い範囲に閉じ込める不自然な残虐性がある
 ・飼育でトウモロコシなどの穀物を使用する
  米国産穀物の42%が家畜飼育に使われるが、肉牛用は約10%だそうだ。
 ・飼料に二種類の抗生物質を混ぜて胃内の食物繊維を発酵する細菌を除いて消化効率を高め、高カロリーの飼料を食べることによる肝膿瘍を予防する
 ・筋肉増強のために2種類のステロイドホルモンを飲ませる
 ・赤身肉を増やすために牛の出荷3週間前からベータアゴニストを投与する


 ウシ頭あたりのから取れる食用肉は飼育の科学技術の進歩によって、1976年に比して23%増えたようだ


 記事の著者は上述の問題点を改善する努力が行われていることを取り上げている。
 そして次のように記している。
 『私はステーキよりもむしろ、牛肉を目の敵にする風潮にノーと言いたい。さらには、食生活や公衆衛生、気候変動、食料安全保障といった複雑な社会問題を善玉と悪玉の単純な対決に帰してしまう傾向、米国人にありがちな「白か黒か」式思考にもノーといいたい。』としている。
 同感だ。


 現実の世界は発展途上国の“肉食化”が進んでいる。
 一日当たりの肉による摂取カロリーはアルゼンチンが一番で続くのがフランス、中国、英国、米国、ブラジル、ベトナム、イタリア、スペイン、ドイツと続く。
 わが国・日本の肉食レベルは世界平均にも及んでいないのが現実だ
 米国が肉食による一日当たりの摂取カロリーが432であるのに対して日本は186に過ぎない
 韓国、フィリピン、ミャンマーなどより低いレベルにあるのだ。
 つまり、わが国で肉食が多すぎる多すぎると強調されるが、欧米のレベルや世界平均以下だとの事実を知らせずに悪玉、悪玉と強調していることになる
 肥満増加の原因となるのは肉食よりも糖質優先のグリミックスインデックス(GI)の高い食、および日常生活で体を使わないことの方がより問題だ


 加えて、その肥満の基準も欧米の基準とは違った日本特異の肥満基準ではやし立てる
 世界標準の肥満は、BMI30以上だが、日本はBMI25以上を肥満という。
 つまり、同じ肥満が増えたといっても日本と欧米とは肥満の意味が大きく違うのだ
 
 そのことを多くの日本人は知っているのだろうか
 BMIと死亡率との関係は、日本も欧米もBMIが25ー30以下で一番低い
 つまり、BMIが25ー30以下に保つのが健康的だと言うことだ
 日本ではBMIが30以上の人は欧米に比してはるかに少ない
 言ってみれば、日本では世界基準で言う肥満は大変少なくて、長生きできるBMI25ー30以下のレベルに到達した人が増えてきたことになる
 日本では、世界基準で言う肥満で死ぬ人よりも、痩せと言われるBMI20以下の人たちがはるかに多いのだ
 言い方によっては、我が国の平均寿命が延びたのは痩せの人たちが減って、栄養条件が良くなってようやく先進国レベルになったのだ
 つまり、BMIが25ー30以下の人たちが増えて平均寿命が延びたと考えられる。
 我が国の課題は、先進国のようにBMIが30以上の肥満にはならないような食生活も含む生活スタイルが重要なのだ。
 欧米が肉食が少ない日本食がヘルシーだとは言うが家庭内には普及しておらず、たまに外食で日本食を食べるのが現実なのだ。
 家庭内で日本食を食べるようにならなければ本当の評価が高いとは言えない
 日本人の多くが前述の如く、まだまだ高GI糖質依存が高いレベルにある。
 しかし、頤医は日本食の美味しさ、四季折々の繊細な料理は好きだ。
                                        

 最近、日本も糖質食量と死亡率との関係を29年間の追跡結果の論文が発表されて、欧米と同様に低糖質食が死亡率を減らすとの結果だったのだ
 肉食は悪玉、糖質善玉とのマスコミ的報道は強調されるが、肉食や低糖質食善玉はどういうわけかあまり取り上げない
 今や、高齢化社会を迎えて平均寿命より健康寿命&平和寿命を延ばすような食生活や生活スタイルが重要なのだ(我が著「Dr.ビュート流健康寿命&平和寿命を延ばすガイド本」参照)。
 つまり、地球環境が持続可能で人間らしく生きる生活を求める時代となった



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