頤醫のグローカルカルチャー志向・・8

    「90億人の食」(NATIONAL GEOGRAPHIC 90億人の食 地球と食材の未来)から・・8


 今回は「科学技術で未来の食料危機を回避できる?」を取り上げている。
 「バイオ技術は食料生産に役立つことは確かだが、万能の解決策ではない」としている。
 およそ半世紀前の1959年には「今後数十年間、最善の見通しでも世界は希望のない状況に陥り、最悪の場合は恐ろしい事態になる」と予測されたことがある。
 しかし、世界の農業を緑の革命と言われる変革を実践して乗り切ったのだ。
 小麦とコメの高収量、生産量を上げる育種法の開発、品種改良などの農業法で生産量を大幅に増やすことが出来たからなのだ


 今後の人口増加は、その5割はサハラ以南のアフリカ諸国、3割は南アジアと東南アジアの国々で食料増産が必要だ。
 そうした国々は、「干ばつ、熱波、その他の異常気象の影響で最も深刻な打撃を受けると予想されている地域」だそうだ。
 気候変動で世界の食料供給は、この20年ほどのコメ、小麦、トウモロコシの生産量は伸び悩んでいたり、完全に止まっている地域が広がっており食料供給システムの破綻が危惧されている。
 つまり、今や、2050年までの20億人の人口増を補うためには、再び、「緑の革命」を行う必要に迫られていることになるのだ。 


 再度の「緑の革命」を引き起こすには、「従来の品種改良の継承に重きを置きつつ、そこに最先端の遺伝子工学を取り入れる手法」がその方向性として考えられてる
 現代農業が化学肥料と農薬を用いることに依存しすぎて生産性は上がったが、土壌、水、大気を汚染した
 更に、化学肥料や農薬の生産と使用は、化石燃料を使うためにそれ自体が温室効果ガスを放出して地球環境の汚染と温暖化を引き起こす誘因となる


 遺伝子組み換え作物や除草剤は、安全ではないとのは明確な証拠はないが、反対派に言わせると遺伝子組み換え種子は現代農業にかかるコストをさらに増やすことになる」と指摘しています。
 アメリカのモンサント社による遺伝子組み換え作物を栽培するためにはモンサント社の遺伝子種子と除草剤を契約して毎年購入せざる負えない。
 アメリカなどの豊かな国の農家では遺伝子種子を毎年買い、そのための特性除草剤が必要なのだ。
 食料増産が必要なアフリカなどの小規模農家では化学肥料や農薬も高くて買えない状況なのに、さらにコストのかかる遺伝子組み換え種子や除草剤を変えない


 バイオ技術の品種改良のプロセスは早まっており、イネの水没、干ばつ、塩害には強く、生育が早くて生産性の早い開発が進められている
 また、小規模農家が化学肥料や農薬、遺伝子組み換え種子や除草剤のようなコストのかかるものにはお金を使わずに、有機農法によって地球環境に優しい農法を駆逐しようとしている解決法を追及している地域、国がアフリカにはある
 多種多様な作物を育てて、最新技術には頼らない栽培植物の組み合わせによる有効な害虫対策法を工夫したり、一つの作物が不作となっても損害が大きくならないように工夫している
 また、化学肥料の代わりに堆肥を用いることによって土壌が肥沃になって生産性を上げているのだ。
 有機栽培農法によって、負担の重い化学肥料や農薬を買う必要がなくなり借金から解放されていると言う。


 再度の「緑の革命」のためには、伝統農法か最新技術か、有機農法か遺伝子組み換えかの二者択一ではなく、地域や国々に適した多様な農法が必要なのだ
 地球環境に優しく、持続可能な農法によっての「緑の革命」を開発して2050年の食料危機を乗り越えて飢餓、貧困のない地球社会を築く必要があると判る



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