頤医はだからズレている!・・8

   松岡洋介は米英と戦争する愚かさを知っていた!?

 俳優で作家の山田純大さんに松岡洋右が小辻節三のユダヤ難民救済を助けた」と題して今年の7月8日に私が関係している名古屋ロータリークラブの卓話担当の責任者になって最初の卓話者としてお願いした。
 純大さんが著した「命のビザを繋いだ男ー小辻節三とユダヤ難民」(NHK出版)にある松岡洋右の意外性に注目したからだ。
 山田純大は忙しい俳優をやりながら日本ではほとんど小辻節三の情報がないのに苦労して中学時代から一人で滞在して学んだアメリカやユダヤ人たちをたどって調査して本を書き上げたのだから敬服していたからだ。
 それまでは、私には松岡洋右国際連盟脱退演説が強烈な印象となって、太平洋戦争開戦・敗戦の愚かな勘違いをした重大な下手人と思っていた。
 私の不勉強と一面的な松岡洋右感を恥じていた。
 「Things are not What they seem!」(ヘンリー・ワーズワースロングフェロー)、「大切なものは目には見えない!」(星の王子様)の教えを忘れていたと反省した。


 有名な外交官・杉原がビザを発行して日本に送り込んだユダヤ難民の大部分は日本から出国できる行く先は決まっておらず、10日間、遅くとも2週間以上行く先がなければ本国に強制送還、つまり、今日的に言えば脱北者が本国へ強制送還されると同じ事になってしますう。
 ユダヤ難民はヘブライ語をこなし上海での人道的な演説をした人物と知っていた小辻節三に救済を頼んだのだ。
 晴天の霹靂で短時間に出国できるビザ発行を日本政府に認めさせなければならない。
 当時、松岡洋右外務大臣をしており、ナチスドイツと連携していた。
 ビザは、今日のように外務省が発行をするのではなく内務省が行っていた。
 松岡洋右が満鉄時代に小述節三は部下として日本が支配していた上海に住んでいた多数のユダヤ人との連携を模索していたのだ。
 松岡洋右は密かに「フグ計画」と言われるユダヤ人を介したアメリカとの関係を追及する政策を小辻節三に任せていたのだ。

 何とかしようと小辻節三は外務省に旧知の松岡洋右を当時はすでに日本にナチスが来ていたにも関わらず尋ねた。
 さすがの松岡洋右は昼飯を一緒に食べようと小辻節三を誘って外務省の外に出た。
 外務大臣としてではなく友達として小辻節三にアドバイスをしたのだ。
 つまりは、松岡洋右がナチドイツのユダヤ政策に対して真逆の小辻節三のユダヤ難民の救済を助けたことになる
 
 それ以来、松岡洋右への一面的な解釈だけではなく、人間味に注目していた。
 そうしたらこの8月21日にNHKBSハイで「昭和の選択 国際連盟脱退 松岡洋右 望まなかった決断」が放映された。
 松岡洋右は日本全権としてイギリスが仲介する中国との妥協によって国際連盟からの脱退の回避を模索するが、時の外務大臣が許さず、胃痙攣にもなって苦悩する松岡洋右が描き出された。
 松岡洋右は孤立してアメリカ、イギリスなどと戦争することの愚かさを知っていたとわかる。
 国際連盟の脱退演説後に退席するときに、“失敗、失敗”と唱えていたとは驚きだ。
 熱狂して歓迎する日本国民の群衆をかき分けている時の心中はいかがなものだったのか。
 ラジオ演説で、国連脱退した失敗を詫びる松岡洋右
 それほどの挫折感があったら日独伊連合に加えて満州で敵対したソ連とのむなしい不可侵条約に懸命となりヨーロッパから帰国した時に、中国、アメリカなどとの融和しようとの近衛首相らが求めたチャンスに、時のアメリカ大使に強化を与えない矛盾を外務大臣松岡洋右は犯したのかと聞きたい
 

 国家権力者や民衆が課題の実像を知ろうとしない現実は今も続いている
 尾田栄一郎の「ワンピース・ONEPIECE」で何度と出てくるシーンだ!。
 多様な民族とその文化を尊重し、異なった民族に対して偏見・蔑視を排するように常に心掛けることがキーだ
 政治的な駆け引きや武力を排して、文化の力で多様な民族・国家の一人ひとりが共存しなければならない
 頤医流の「積極的な平和主義」は、「立場によって変わる正義」にはこだわらないだ
 その「立場によって変わらない正義」、「国家権力や集団が主義主張による正義を唱えて、戦争、武力行使を正当化して行使しない」ことだ。
 小辻節三は、日本国内では山田純大が苦労して歴史小説として書き上げるまでは知られることなく、海外では多くのユダヤ系民族のスーパーヒーローとして崇められている。
 「フグ計画」を推し進め、「国際連盟退回避」、「近衛首相らのアメリカとの融和の模索」に一身をかけてアジア太平洋戦争阻止を貫き、前漢時代最盛期の皇帝・武帝に逆らった司馬遷のように生き恥をさらしても「史記」を書き残し、インドを無抵抗主義で独立に導いたガンジーのような「立場によって変わらない正義」を貫いていたら世界史上の人物としてノーベル平和賞の栄に輝いただろうと残念で仕方がない
 
 
 


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