頤医流フィエロ&フローの平和寿命・・傑作『0葬ーあっさり死ぬ』を超えるために・・・2

  頤医流お盆・・引き継がれる志を新たにする


 頤医流八月十三日のお盆は、まず、枕本尊・諸尊仏龕の扉を開帳することから始まる
 次に、初代・山中頤庵、二代目・山中律、三代目・山中直樹の位牌を開扉
 一輪活け(陶土、釉薬を自由自在に工夫、操る天真爛漫の天才陶芸家・加藤敬也作)に庭の草花を活ける
 銘「閑雅の頤庵」(建窯の曜変茶碗を再興した光彩の魔術師たる陶芸家・陶芸研究者の九代目長江惣吉作の光彩銀菟豪盞)の茶碗で薄茶を点ててお供えする
 奉げた後に直会として共飲する
 そのために、すべては昔ながらの素朴な円形の卓袱台に十五年ぐらい前に加藤敬也に作成してもらった骨壺とともに何時も身近に配置してある。
 また、頤医流の志の慕碑としている思入れのある縄文的石が庭から位牌の見えるところに置いてある。
 

 お盆の日は頤医流の志の引き継ぎを確かめ合う日なのだ。
 前回述べたように、Dr.ヒルルク流「志が忘れられない生の引き継ぎ。忘れられた時が死だ。」だ。
 三代目として自分の位牌をすでに整えた。
 「死に方」、「死後」にあっても、自らが死ぬことなく生き続けるための「生きている証」とする「引き継がれるべき志」をはっきりと自覚するためだ。
 Dr.ヒルルクが言うように引き継がれる志が忘れられた時が死としているからだ。
 つまり、「生の証」だ。
 頤医流血縁の志の引き継ぎは、初代とする山中頤庵は十代で長崎に遊学したと伝わり、十九歳で緒方洪庵塾に学び医師となって京都にとどまり志士として活躍していた。
 残念ながら二十八歳の若さで病死したが京都・長楽寺に「生の証」の慕碑となって志の引き継を願った。
 二代目は頤庵の従弟・医師で貧困者に優しく村民に愛された山中直樹の祖父・山中律。
 三代目は山中直樹で、志を引き継いで生き続けるために自分自身の意思・意志として位牌を生きている間に整えた。 
 「死に方」、「死後」に引き継がれるべき志を日常茶飯、常住坐臥の生きる心としているためだ。


 頤医流の「生の証」は次のようだ
 1)志に生きるために「死に方、死後」を葬送の方法も含めて生きている間に明確にして三種の志碑を自らの意思でつくる。
 2)志が引き継がれる限り、「生きている証」として三種の志碑を自主的に引き継がれるようように日々、努めながら生きる。
  「死に方」「死後」は、「生き続けるために」であり、引き継がれるために生き方の志を持って生き続けるための三種の志碑とするのだ。


 頤医流三種の志碑は日本列島の文明的曙であり、世界史上にはない一万年以上続いた集団的殺戮のなかった平和な定住集団生活を営んだ縄文時代的宇宙観で生命力の再生・よみがえりの志を引き継ぐものだ。
 生きとし生けるものの魂は「志」として再生して生命の持続、永久の循環を願うためだ。
「この世」で個人個人が自分の生きた証として「あの世」に転生して個が「死んでも」、志は生き続けて引き継がれ、成長・発展され続けるための志碑なのだ。


 頤医流祭祀は自分自身の源流・ルーツである縄文的宇宙観で一人ひとりのこの世・生前の精霊・埋葬の自由を大切にする。
 縄文土器には埋葬して生命力の再生を願い、土偶は縄文的宇宙観で生殖・出産・よみがえりと再生・繁栄を精霊に願う祭祀なのだ。
 生きとし生けるものが生命から生命へと受け渡され、閉ざすことなく外に開かれた成長・再生・よみがえりの宇宙観だ。
 縄文時代アニミズムは人類が自然の他の命を奪って糧として食することによって生きて暮らすことができるようになり、死んで自然に還る命のやり取りをして再生・よみがえりの命を信じて敬った。
 縄文時代の環状列石遺跡は縄文的宇宙観を示しているとわかる。
 配石によって夏至冬至の日の出、日没の流転を知り、日時計状組石配石によって一日が繰り返されることを知っていたのだ。
 祭祀のための祭壇状の配石遺構や祭祀的遺物も残されている。
 土器や石器に遺体が葬られ、土坑墓や配石墓の遺跡がある。
 人以外の生き物、モノも同格として共存する「送り場」として「循環的な再生」を願った可能性の高い遺跡となっているとわかる。
 決して、今日的な「ゴミ捨て場」ではないのだ。
 縄文時代土偶、壺、環状列石の遺跡に据えられているモニュメントを三種の志碑として引き継ぐのが頤医流三種の志碑なのだ。
 自らが生きている時に、生き方の意思を示す「志に生きた証」の引き継ぎ・よみがえり・再生の命を込めた志碑であり、先人の志を引き継いでいることを直会・共食によって喜びを共にするにある。
 三種の志碑の前で、活けるものの命を奪って用意され、かなえられた直会・共食によって、「引き継がれている志」に生きる意欲をこころ新たにする日が頤医流お盆
 縄文的宇宙観の源流たる命は天空からは永劫回帰の光が、自由な水の流れは閉ざされようとしても堰き止められることなく引き継がれてゆく。
 フィエロ&フローの平和寿命を引き継ぐための志碑なのだ。




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