頤醫のグローカルカルチャー志向・・4

   「90億人の食」(NATIONAL GEOGRAPHIC 90億人の食 地球と食材の未来)から・・4・・「食を支える未来の養殖」(6月号)

 「NATIONAL GEOGRAPHIC」(6月号)は「急成長する世界の水産養殖。環境破壊や水質汚染を抑えつつ、より良い魚を育てる方法とは」と「食を支える未来の養殖」を取り上げている。

 すでにこのシリーズ2,3で取り上げのようにJ.シェーンヴァルド著「未来の食卓 2035年」では、2050年より前の2035年の食卓が如何様になるかを水産養殖についても内陸部での「養殖」を取り上げて課題も検討している。
 
 また、TEDでは2010年に、ニューヨークの名物シェフ・Dan Barber(2,3で取り上げ)が、「How I love in fishes」と題して、南スペインでの餌を与えずに自然環境の恵みと飛来してくるフラミンゴなどがとの食物連鎖でバランスして環境汚染を誘発しないような自然に近い状態での養殖を取り上げている。
 その魚が競争と評価は厳しく見かけの“ブランド”が通用しないニューヨークの有名な一流レストランとしてDan Barberは美味しい魚料理として用いている。
 Dan Barberは2008年にはすでにスペインでホアグラの大自然の中での動物愛護的生産法を行う小さな農場の話をTEDで話を行っている。
 TEDで話が出来ることは極めて独創的でIdea Worth Spreadingな仕事をしている人たちだけが選ばれるのだ。
 わが国の人ではごく少数でしか発表していない。
 最近、本年度の建築学会のノーベル賞たるプリッカー賞に輝いた建築家坂茂が紙管や紙で作る環境に優しい持続可能性・Sustainableな建物を創生したがTEDで話をした。
 世界中でどこにでも手に入る紙で出来た建築物を世界で発生した災害地の避難所としても安く迅速に造れることで世界中で評価されているのだ。

 食糧生産についても持続可能性・Sustainableのあることが極めて重要となっている。
 NATIONAL GEOGRAPHICでの養殖法についてもバングラディッシュ南部クルナ近郊、カナダ・バンクーバー島沖にある複合養殖システムなどの環境破壊を伴わないような循環型の養殖法に注目している。
 わが国も過密養殖で藻が発生したり異常なプランクトンの発生が問題になることもあり、海洋汚染を伴わないようような循環型複合養殖システムを行わなければ汚染による食障害が危惧される。
 回遊魚が有機水銀汚染の危険が指摘されているように、過っての公害事件や陸地での農業汚染の二の前にならないように環境先進国としての責務を果たす必要がある。
 養殖魚で発展して愛用者の多い回転寿司による“公害”に注意が必要だ。

 世界人口の急上昇にともない海洋資源としての魚介類の大量消費と食物連鎖を含む自然環境の持続可能性が破壊されようとしている危機の現状を考えなければならないのだ。
 世界中で急成長する従来型の養殖業が大量の飼料や抗生物質などの化学薬品を用いることから海洋の汚染、環境破壊を増悪させてはならない。
 現実は生産される魚介類は、“日本食は安全”との“神話”に支えられて、包丁料理と煮る料理がわが国の主となる伝統であり、切られ、煮込まれて食卓に上り、レディメイドの副食料理、一品惣菜料理となって原産地や食品表示の“妙”を潜り抜けて外食産業、宅配食やスパー、コンビニ、COOP市場の多くのパーセントを占めている
 “そんなことを気にしたら食べるものがない!”と言って食べ続けて、時に、“事件”が起こったら“信頼していたのに!”“政府が悪い!”と攻め、関連企業などは“皆さんに心配とご迷惑をかけました”とのお決まりパターが横行している
 決して他人事ではないのだ
 自分たちが他力的ではなく自活的に日常茶飯の食をどうするかを考えて実践する必要がある
 朝から外食や宅配で、日本を含む如何なる原産地で何時生産されたかがわからないぴかぴかなご飯やお握りを美味しいと喜び、牛乳はまるで使われていないフレッシュと危険性が指摘される薬品が使われているパン、トランス脂肪酸が含まれるマーガリンやショートニングを健康的と使い、卵などはまるで用いられずに作られる“マヨネーズもどき”、大豆、小麦は用いず醸造せずに作られる“醤油もどき”を日常茶飯な食習慣として食べている人がほとんどだ
 不景気の時代に単価を下げて生き残ったのは、すばらしい食品産業界の努力と工夫があったからでこそなのだ
 外食産業が“マヨネーズもどき”をかけて、“醤油もどき”の小さなチューブを添えて、人工甘味料や“出汁”を用いてコストダウンをはかって“美味しさ”に慣らせてしまった。
 その結果として、親切すぎるレディメイドのサービスに自分たちで食べるものを素材から料理して食べる食文化を忘れてしまった
 それ故に、わが国の食は世界“遺産”として滅びないように忠告されたのだ!
 世界遺産になったことを勘違いして、喜んではおられないとの自覚が不可欠!
 そのためには、男性諸君が料理を女性同様にする習慣が必要だ
 先進工業国で作るOECD経済協力開発機構)34か国中でわが国・日本は男女格差で30位以下を争うような人権意識の乏しい国であり、文明国と言えるためには女性が食卓準備をするのが当然とする社会体質や習慣を改めなければならないのだ!



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