頤醫のグローカルカルチャー志向・・2

 「90億人の食」(NATIONAL GEOGRAPHIC 90億人の食 地球と食材の未来)から・・2・・日本の日常の食をどうするか

 食の文化を考える上で、私が大切とするグローカル(glocal)カルチャーとはについてここでの意味を共有しよう!
 ・地域特異な文化をグローバル文化が取り込む場合
 ・地域が他の国や地域と交流するに当たり、地域がお互いに特性を発揮して独自性をもって交流する
  地域文化を主にグローバル社会の中で特異性を発揮するのだ
 
NATIONAL GEOGRAPHICが90億人の地球と食料の未来シリーズを始めたことは世界中が考えなければならない課題だ。
 同時に、今日の我が国の食をどうするかを考えなければならない。
 “日本の食材の食材が安全”と言うのは“神話”ではないかと検証が必要だ。
 地球レベルで農耕地は既に90億人の食を満たすために拡大する必要のないレベルにあるのだ。
 多様な農産物や漁撈・牧畜などによる動物性食材の生産と利用法の工夫によって現在起こっている日々の飢餓に瀕している10億人以上の飢餓救済も可能となるのだ。
 また、食品の消費期限などの課題によって多くの食材が無駄になっているのが現実だ。
 農産物も消費者の表面的な“カタチ&キレイ”への偏狭のために多くが生産者の努力を無にするような無残で無駄な末路を取を取っている。
 人類の歴史にあって農業が地球環境の悪化の原因であり、有利な土地を求めて境界・テリトリーを主張して集団による紛争、争い、殺戮の原因になっていることは今日依然として続いているのだ。
 地球レベルでの食材、食品の開発競争で食品添加物やもどき食品の開発で食文化の環境が大きく変わりつつある。
 科学技術の進歩と利益追求の追及が激しく、人々の健康障害に加えて地球環境の悪化をも進めている。
 回遊魚のように泳ぎ回る魚は捕れた地域以外に地球レベルでの海洋汚染を考えなければならなくなっている現実がある。
 たとえば、マグロや魚ではないが鯨などの日本人の食生活で不足がちなωー3系を多く含む食材の汚染が問題になっている。
 国、民族などを越えた地球レベルで平和な食物生産と飢餓のない社会を考えなければならない時なのだ。
 食は共食共生の場となり、自分たちが作ったものを食べると他の人たちが作った料理が判るようになる「縁」となる。
 また、自分が飢餓に苦しむと“ひもじい人を助ける”気持ちもワンピースのサンジのようにわいてくる。
 食文化を介して集団による殺戮のないグローカルな共食共生を尊重した国境のない平和な地球環境を求めよう!
 
 一人ひとりがグローカルな食を考える上で参考となる書籍などを紹介したい。
 まず、日本列島の食文化で縄文時代は一万五千年ぐらい前の氷河期の終わるころから世界に類を見ない農耕開始以前からの定住集落生活を始めている。
 その後、日本列島内のみならず、東南アジアや北のアムール河地域との共存共栄によって一万年以上にわたって集団による殺戮の遺跡を残していないのだ。
 日本列島はそうした地域との交流によってお互いが協力して平和で豊かな食文化を営んでいたのだ。
 今日に及ぶ日本列島の健康寿命&平和寿命を営む生活文化が育まれたのだ。
 そうした縄文時代をわが国の歴史教科書は縄文時代は野蛮な狩猟採集生活と切り捨てて稲作と鉄器による農耕とテリトリー争いの集団殺戮を始めた弥生時代から文化的な発展をしたと歴史教科書は始まるようにしたのだ。
 岡倉天心が「茶の本」で高らかにわが国が戦争や殺戮を始めたら文明国と言われるなら平和な文化が評価されるまでは“野蛮国”で在ろうと言ったのを思い出す。
 以下に縄文時代を中心にしながら日本列島の今日的課題を考える上で私が大切思う書籍の一部を紹介したい。
 また、海外での食文化についても知ってもらいたく最近の書籍、TEDトークNHKテレビでの話題を紹介する。
 日本食世界遺産となっても、縄文時代の食文化や日本食についての食物や料理に対する国際的な理解はまだまだだと判る。
 まずは、日本列島に住む人たちが日常的な食文化について、その発展史も知って、今日的課題をグローカルな理解が求められていると言える。

 ・「日本食物史」江原絢子ら著、吉川弘文館、2009年
 ・「中尾佐助著作集 第二巻 料理の起源と食文化」中尾佐助著, 北海道大学図書刊行会、2005年
 ・「縄文人弥生人は何を食べたか 普及版・季刊考古学」渡辺誠・甲元真之著、2000年
 ・「ここまでわかった! 縄文人の植物利用」工藤雄一郎・国立歴史民俗博物館、2014年
 ・「縄文人の力 別冊太陽 日本のこころ21」監修小林達雄 平凡社、2013年
 ・「歴史のなかの米と肉 食物と天皇・差別」原田信男著、平凡社ライブラリー、2005年
 ・「縄文から現代まで たべもの伝来史」安達巌著、柴田書店、同心書院、1975年
 ・「照葉樹林文化」上山春平著、中公新書、1969年
 ・「続・照葉樹林文化」上山春平ら、中公新書、1976年
 ・「日本文化の源流を探る」佐々木高明著、海青社、2013年
 ・「日本料理の社会史 和食と日本文化」原田信男著、小学館、2005年
 ・「日本の郷土料理 全12巻」石毛直道ら編者、ぎゃうせい、1986年
 ・「おくむらあやお ふるさとの伝承料理 全13巻」奥村彪生文 上田みゆき絵、農文協、2006年
 ・「日本各地の味を楽しむ 食の地図」帝国書院編集部、帝国書院、2011年
 ・「茶の医薬史ー中国と日本」岩間真知子著、思文閣出版、2009年
 ・「日本喫茶世界の成立ー探茶論の方法」山田新市著、ラ・テール出版、1998年
 ・「番茶と日本人」中村羊一郎著、吉川廣文館、1998年
 ・「あなたのために いのちを支えるスープ」辰巳芳子著、文化出版局、2002年
 ・「リンゴが教えてくれたこと」木村秋則著、日経ビジニス人文庫、2013年
 ・「身近な食材を使って〜三心(まごころ)でつくる典座和尚の料理」三好良久著、大本山永平寺、2014年

 ・『知っておきたい「食」の世界史』宮崎正勝著、角川ソフィア文庫、2006年
 ・『知っておきたい「味」の世界史』宮崎正勝著、角川ソフィア文庫、2008年
 ・「食品の裏側」安倍司著、東洋経済新報社、2005年
 ・「食の裏側2 実態編」安倍司著、東洋経済新報社、2014年
 ・「じつは怖い外食 サラリーマンランチ・ファーミリー 外食に潜む25の危険」若南清貴著、2014年
 ・「Dr.ビュート流 健康寿命&平和寿命を延ばすガイド本」山中直樹著、Dr.BEAUT・ソフィーリッチ、2013年
 ・「フードファディズム メディアに惑わされない食生活」高橋久仁子著、中央法規出版、2007年

 ・『幸せな未来は「ゲーム」が作る』ジェイン・マクゴニガル著、早川書房、2011年
 ・「Gaming can make a better world」ジェイン・マクゴニガル、TED2010、2月、2010年 ゲームが意味する従来の社会的価値観を変える
 ・「The Game that can give you 10 extra years of life」ジェイン・マクゴニガル、TED2012,6月、2012年 ゲームによってマクゴニガルは脳障害から立ち直った
 ・「The Art of Choosing」By Sheena Iyengar, TWELVE books、2010年
 ・「未来の食卓 2035年」J.シューンヴァルド著、宇田貴代美訳、講談社、2013年
 ・「火の賜物ーヒトは料理で進化した」リチード・ランガム著、沢依田卓巳」訳、NTT出版、2010年
 ・「ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅」マーク・シャッカー著、野口深雪訳、中央公論新社、2011年
 ・「食の500年史」ジェフリー・M.ピルチャー著、伊藤茂訳、NTT出版、2011年
 ・「人間は料理する 上 火と水」マイケル・ポーラン著、野中香方子訳、2014年
 ・「人間は料理する 下 空気と土」マイケル・ポーラン著、野中香方子訳、2014年
 ・「キッチンー料理道具が変えた人類の食文化」アナベル・リー著、真田由美子訳、河出書房新社、2014年
 ・「The Soul of a New Cuisine A discovery of the foods and flavors of Africa」By Marcus Samuelsson、John Wiley & Sons.Inc,2006年
 ・「美味しい革命 アリス・ウォーターズと<シェ・パニーズ>」トーマス・アクナー著、萩原活子訳、2013年 
 ・「The Art of Simple Food Ⅱ」By Alice Waters, Clarkson Potter/Publishers,2013年
 ・「How I tell in love with fishes」 By Dan Barber、TED2010、2月、 環境に優しいスペイン南部 Veta La Palmaにおける New Conception of BioFarmについて語る
 ・ NHKテレビ 東北発未来塾 5月12日2014年、イタリアレストラン シェフ・奥田政行の活動・土地の人と庄内藤沢カブを復活を例にして地産地消地産他消、地産訪消スタイルを提案&実践
 



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