頤医の「現代版縄文的作陶家・加藤敬也」・・1

縄文文化と作陶家・加藤敬也の現代版縄文性

 作陶家・加藤敬也の縄文性を理解してもらうために、まず、縄文文化とはを知っておこう!
 作陶家・加藤敬也は無釉の縄文土器とは真逆の瀬戸の伝統たる釉薬陶器の頤医が評価する大家である。
 現代では珍しい土と釉薬を自分で工夫して一人で作陶したとは思えない多様多彩な陶器作品を残している。
 頤医は北大路廬山人的才能を発揮しているが、廬山人との大きな違いは加藤敬也一人で作陶したと言うことだ。
 小原で窯焼きをするときは血縁・地縁・知縁が集まって縄文的炊き出しをしながらだ。
 その多様多彩作品を観ればこれが一人で作った陶器かと驚かされること間違いなしだ。
 自然児的で適適に生きた作品を作陶して世俗的名声は求めなかった。
 “有名”にしようかとみんなで検討したことがあるが、敬也自身がそうした道は求めなかったし、俗心が入ったら敬也作品の最大の良さが失われると止めることにした。

 頤医は日本列島の黎明を告げる縄文時代が好きだ。
 およそ一万五千年前から氷河期が終わりかけたころからの始まる。
 縄文土器をキーワードとした多様な民族が助け合って共存共栄した地縁社会だ。
 人類史上、縄文人たちは農耕を始める前に定住して集団生活を始めている
 しかし、一万年以上に渡る縄文時代は、テリトリーを設けた集団による殺戮の遺跡は残していない
 北西南からの多様な地域からの民族が渡来して多様・多用な文化を持ち込んで平和に共存した。
 狩猟漁撈・採集を中心とした集団で定住生活をした。
 それぞれの地域での特産物を広い範囲で交換する交流も盛んだったのだ。
 それでも一万年以上の長きに及ぶ集団の殺戮がない平和な時代だった。
 稲作が本格的になる弥生時代が始まるまでは人間同士の殺戮による争いを行っていない平和な時代だったのだ。

 日本列島の文明的源流は縄文時代にある。
 狩猟漁撈・採集を基本としながら定住地域の周辺には栗の“栽培”、漆の木を集めて漆を採集した。
 四季の変化と動植物食材との関係を知って、四季折々の“産物”を貯蔵することを縄文草創期から始めているのだ。
 四季の変化を知る遺跡を残しており、東西南北、冬至夏至と太陽との関係を理解していたのだ。
 時間を知るための日時計も工夫していた。

 地域性ある食材を確保する方法を工夫している。
 堅果類を採集し、米も含むヒエ、アワなどの雑穀を縄文土器で料理していた。
 トチを灰汁、水晒しによってアク抜きして豊かな食材とした。
 毒のあるヒガンバナの根やフグなどを食べる術を心得ていた。
 小舟で海獣の鯨を捕獲するまでに至っている。
 山での焼畑農耕を初めていたと考えられている。
 焼畑をした後に最初に新芽を出して、すくすくと育つのはヤマ茶なのだ。
 茶木を切って焚火であぶって縄文土器に入れて茶汁を飲食していた可能性が私は考えている。

 つまりは、自然界から四季の食材を採集し、縄文土器と火を使って食べられるように工夫したり、栗のような植物の選別を行い、貯蔵して多様な食材を食べる工夫を行っていた。
 集落の周囲に栗の木や漆の木などを選別移植する半農耕を始めていた。
 狩猟漁撈した動物食材を処置する場所も工夫していた。
 山野では焼畑農耕の始まりでもあったのだ。
 弥生時代以後に始まる米を主食とする食は行っていなかったために不作による飢餓はなかった。
 縄文的主食のない食生活が四季折々の多様な食材を食し貯蔵を行って飢餓のない人間的生活が可能だったのだ。

 以上のような四季折々の狩猟漁撈・採集をして食材を食べる工夫を可能としたのは縄文土器だ。
 日本列島が四季と水が豊富な環境で縄文土器を用いた“料理”が豊かな食文化を這ってさせて飢餓とは無縁な集団定住生活ができた。
 まさに、作陶家・加藤敬也は縄文的に生きた。
 頤医が加藤敬也を「現代版縄文作陶家・加藤敬也」と呼ぶのは、現代版縄文的生活スタイルを楽しみ縄文的作陶を行ったのだ。
 荘子の言う、適適の生活と作陶を実践した。
 適適とは、『自分の心に適することを適として楽しむ』であり、私の生きる志向に適う。
 私が敬愛する先祖で適塾に学んだ山中頤庵の頤医の生き方だ。
 何故に頤医が作陶家・加藤敬也を「現代版縄文作陶家・加藤敬也」と言うかを紹介したい。
 一人で多様な土を工夫して多様な釉薬を創生工夫した作品を縄文的おおらかさと生命力ある用の美を自由自在とした。
 自然と四季折々で戯れて取れた食材をすばらしい料理として現代版縄文的陶器に盛り付けた。


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